ストーリーテリングに役立つフレームワーク

先週末、私はスピーチ論評ワークショップでテストスピーチをしました。論評ワークショップは、評価スキルをを鍛える事で、他人や自身のスピーチ分析を深耕する事ができます。あなた、機会がありましたらスピーチ論評ワークショップに参加することを強くお勧めします。

テストスピーチを作成する上で、主題の選択、構成に悩みました。私はスピーチ構成に以下の単純なフレームワークをよく使用します。

はじめに→ストーリーA→ポイント→ストーリーB→ポイント→結論 

ストーリーAで学んだ教訓をストーリーBに適用します。これは非常に単純なパターンです。私自身、このフレームに飽きがきているため、何か違うことをしたいと思っていました。

Grant BaldwinによりSpeaker Labというポッドキャストでキリスト教系のコメディアンのKen Davis氏を知りました。私は無宗教ですが、彼の物語構成方法を楽しんでいます。彼は次のように構成する傾向があります 。

はじめ→物語Aの始まり→物語Bの始まり→物語C→物語Bの終わり→物語Aの終わり→結論

彼がADD(注意欠陥障害)なのか素晴らしい散漫力を持っているのかわかりませんが、彼はこのような構成を使って、成功しているコメディアンです。彼がなぜその構成にしたのか考えてみました。その時に、プレゼンテーションに関する本で読んだ次のことを思い出しました。

NLP(神経言語プログラミング)の専門家であるTad JamesとDavid Shepherdの著書「Magically Presenting」では、オープンループを作成することが良いと述べています。つまり、Kenがやっている構成です。理由は、人々が物語の完成を望むからです。ストーリーを完成させないことによって、「予測、注意、好奇心状態を作り出し、もっと知りたい心を引き出す。つまり、あなたのプレゼンテーションを引き出すのに有益な状態です」と述べています。

実際、人が未完成の行動に注意を払う傾向は、米国の心理学者のBluma Zeigarnikの研究から「Zeigarnik効果」と呼ばれています。彼女の研究は1927年に行われ、1953年にJohn Atkinsonの研究により、1963年にJohn Baddeleyの研究により再現されたと雑誌「心理学者世界」に投稿されました。この投稿はウィキペディアのより信憑性があります。因みにこの「Zeigarnik効果」は、広告主、コメディアン、モチベーション・スピーカーが使用しています。

ところで、あなたは作成するToDoのリストを作成していませんか。ToDoリストから、多くのストレスを受けている場合は、この効果によるためです。あなたの脳は、「親切に」未完成事項をリマインドしてくれます。これがエネルギーを消費する。このリマインドを今やるかやらないかと葛藤することも、ストレスになります。そのストレスは、あなたが行動を完了すると消えます。

さて、私のToDoは論評ワークショップのテストスピーチ原稿を完成する事です。このワークショップの講師が知合いだったので、主題を「共感」にし、「共感」に関するストーリーを考えました。但し、前述した物語A(共感の大事さを知る)、物語B(物語Aの教訓を生かして難所を乗り切る)の順番にすると、なにか物足りなく、違う展開に挑戦してみたいと考えました。

そこで、Ken Davisが使っているような構成やMagically Presentingが提案している構成を使ってみようと思いました。ただ、問題はMagically Presenter達は3〜5個のオープンループの使用を推奨しています。Ken Davisの構成もだいたい三つ以上の物語が含まれています。今回の場合、スピーチ時間は5~7分しかありません。7分半以内に3つ以上の良いストーリーを披露するのは正直難しいです。だから私は2つにしました。 つまり、

序論→物語Aの山場の手前→物語B→物語Aの山場→結論

という構成にしました。スピーチ中の聴衆の反応やワークショップ終了後の参加者のコメントから、この構成の採用は「正解」でした。基調講演やKen Davisのスピーチのような1時間近い時間がある場合には、 3つ以上のストーリーを含める事は簡単です。しかし、5−7分のスピーチの場合なら、私のように2つのストーリーを使う事を推奨します。

私はかつてA話からB話という順番にスピーチを構成しました。しかし、コメディー、映画、心理学者、NLPの専門家からの助言を参考に、 私のストーリー構成を再検証しました。今後はもっと実験するつもりです。あなたも、このフレームワークを取り入れて、実験して見てください。あなたも、聴衆から良い反応を得ることができると思います。是非お試しあれ!

*私は英語のプレゼンテーションが上手くなりたい人々のためにコーチングや相談にのっています。興味があれば、私にメールしてください。

*私は創造と芸術に関してMeetUpsをやっています。興味があれば、下記を訪問して下さい:https://www.meetup.com/A-More-Creative-You-Tokyo-Meetup/

あなたはどちらですか?勝者か学習者か?

うまくできたはずのにスピーチコンテストで3位と発表されたら非常に衝撃を受けるでしょう。私にもこの様な経験があります。残りの席を取った二人はノンネイティブでした。控えめにいうとかなりイライラする出来事です。気持ちをどの様に整えるべきでしょうか?

最も明確な選択は皮肉です。非難や不満はいくらでもできます。「有能な審査員を揃えたな」「英語の理解力が高いな」「審査基準を理解しているの?」「風邪を引いて声が出なかった」「聴衆の反応が良かったのに」これらの不満、非難することから何が得られるでしょうか?何もないです。私には別の選択があります。私は敗者である事を選ばず、学習者である事を選びます。

日本のトーストマスターズは、コンテストシーズンです。多くの人がコンテストに参加し、彼らの話を知る良い季節です。他のコンテストと同じ様に、頂点をとるのは、1人だけです。全国大会の勝者は勿論1人だけです。それでは、残りの何百人は、敗者でしょうか?いいえ、実際はそうではありません。

因みに、コンテストに参加しない大きな理由の1つは、敗者のように見られる恐れです。敗者は、先程の例に挙げた外的な力を非難する人です。その人は外的な力を非難し、自分を変えようと思っていないのです。敗者は、自分のパフォーマンスを振り返りしないです。何らかの振り返りをして、次回への挑戦の教訓とする人は、敗者でないと私は思います。

そういうわけで私はコンテストで勝てなくても、学ぶ可能性が十分にあると考えています。私が勝つと、私が今までやった事の成果を証明してくれます。とても肯定的なフィードバックとなります。さらになぜ私が勝ったのか検証すると、さらに得るものが多くなります。それでも頂点は取れなかった。検証方法が間違っているのかを考え、修正する方法を理解すれば良いでしょう。

私たちの多くは、初めから素晴らしいスピーカーではありません。皆さんは最初から自転車に乗れましたか。自転車の場合、先ずは大人の手を借りてバランス感覚を身体で覚えていく。大人が手を離すと転ぶ。その繰り返しです。自転車に乗るのは向いてないとか、恐ろしい事故に遭ったので乗るのをやめる人は少ないと思います。私自身は、まず頭をぶつけて、膝を何度も擦った事はありました。これは子供の時ではなく、大人になって自転車でビンディンペダルを使って練習した時でした。諦めずに私は自分自身を傷つけずに簡単に乗り降りする方法をやっと習得しました。

しかし、スピーチは自転車よりもより複雑です。原稿を忘れてしまったり、滑ってしまったり、「いける!!」と思ったのに入賞できなかったりとか。そのような場合に、気持ちがスピーチと向き合えないかもしれません。しかし、それで本当によいですか?

前に進みましょう。前に進む人は学習者です。彼らは置かれている環境を他人のせいにしません。彼らは何が起こったのか、なぜ成功しなかったのか分析し、どうすればうまくいくのか新しい仮説に取り組みます。

2回目の試行はうまくいかないかもしれません。最初と同じくらい大きな失敗となるかもしれません。しかし、step by stepで前に進みながら間違いを減らしていくことはできます。

しかし、自分だけで全てをするには、非常に時間がかかります。私は多くの本を読んでいます。多くの優秀な人の考えを取り入れると、自分一人だけ考えるよりはるかに早く前に進めます。私は単純な読書はしません。ノートを取ったり、書いた内容を自分の言葉にしたり、内容をどうやって行動にするかも考えたりします。

また、できるだけ多くの人からのフィードバックを得ようとしています。 トーストマスターズは、例会中にスピーチのフィードバックを得る事ができます。早く前に進みたいなら、専門家へ聞く方法もあります。スピーチではなくても、自分の仕事についてどのようなことを考えているのか、それを改善するために何ができるのかを人々に尋ねることは良いことだと思っています。

但し、時に助言で傷つくことがあります。時には助言の根拠が分からない時もあります。時には、助言の意味が経時的にじわじわと理解する事もあります。それらは、人生でよくあることですが、一つ一つ私達を成長させてくれます。

多くの人は、どんなコンテストでも勝者や敗者がいると思っています。私は同意しかねます。後向きの人がいるならば、その人は敗者となるかもしれません。しかし、ほとんどの場合、勝者と学習者だけです。勝者はある場面で勝ちました。学習者は家に戻ってパフォーマンスを振り返り皆さん、うまくなれるどうすれば良いか考え、訓練にて能力を伸ばして、またコンテストに挑戦します。最終的に勝ちます。ある意味では人生って勝つと学習の連鎖です。どちらも楽しいです。あなたは思いませんか?

ポジティブ思考のみは聴衆に悪い影響を与えますよ

多くのモチベーションスピーカー、引き寄せの法則を主張する人、自己啓発本を出版している人は、目標を達成するために必要なのはポジティブ思考と発言されます。あなたもおそらく同じような考えでしょう。人間は大きな夢を抱いて、ちょっと怖い大胆なゴールが要る!と主張したくなるモチベーションスピーカーが山ほどいます。それだけでゴールは本当に実現しますでしょう? ある研究では、それを否定する論文もあります。実際、この種のスピーチは聴衆を夢の中に閉じ込めさせる可能性があります。びっくりするでしょう。

私は、日々インスピレーションをもらうSide Hustle Schoolのクリスギルボー(Chris Guillebeau)の言葉があります。彼はこう言います:「インスピレーションは良いですが、アクションとインスピレーションを組み合わせた方がはるかに優れています。」
私もインスピレーションは良いことだと思っていましたが、インスピレーションだけが実際にはそれほど良いことではないことはほとんど知りませんでした。

1991年にGabriel Oettingen氏の科学的研究により、それを証明しました。研究対象者は太っている女性です。体重を減らすことをできるだけリアルに想像して貰いました。つまり細い体はどうなっているのか?細い体だと人生がどの様に楽しくなるのか、どこに行きたいかなどです。その研究によると、体重を減らすことについて最も強くリアルに想像した女性の殆どは、実際に体重を減らせませんでした。さらに興味深いのは、彼女が数年にわたって幅広い年齢層で複数国で繰り返し調査しましたが、毎回同じ結論が出ました。詳しくは「Rethinking Positive Thinking」(日本語タイトル:「成功するにはポジティブ思考を捨てなさい」)

この背景にある理由は、出来事を達成した事を想像しているときに脳がドーパミンを送って、それらを描写するだけで満足しているということです。脳って本当に達成した事と妄想の中で達成した事が区別出来ないんです。だから、ドーパミンを送ってしまうんです。これは夢の罠です。

夢の罠


「あなたは夢を現実できる力を持っていますよ。月を狙って失敗しても星の中で落ちます。」

効果的に人にインスピレーションを与えたい場合は、この「夢の罠」に気づく必要があります。夢と目標は非常に強力なモチベーターですが、それだけでは十分ではありません。何が必要でしょうか?Gabriel Oettingenの研究では、次の提案がされています:希望、結果、障害、計画のプロセス。(Wish, Outcome, Obstacle, Plan) つまりW.O.O.P.という略です。

W.O.O.Pっておいしい


動機づけのスピーチでは、スピーカーは、最初に希望を聴衆に想像させる必要があります。例えば「私は世界スピーチ大会チャンピオンになりたい!」そして次のステップは結果を想像することです。あなたはバンクーバーの大舞台に立っています。手に大きなトロフィーを持ち、聴衆の祝福の笑顔がよく見えます。様々な国から講演で招かれます。毎日エキサイティングです。毎日違う都市です。

次のステップは障害です。これは他の競技者、悪い審査員、余分な時間を与えない上司のような外部の障害ではありません。これは内部的な障害です。あなたを邪魔する自分、あなたを小さくにしたい自分です。それに打ち勝つために、その自分を直視する必要があります。最後に、計画が必要です。これは実際にあなたの希望を達成し、あなたの障害を打ち負かし、結果を体験することを確実にするためのものです。それは素晴らしいプロセスのように思えますね。しかし、一つ重要な事が抜けています。

チャンピオンになりたい!の気持ち


問題は実際に課題を想像することにあります。私は、「世界大会のチャンピオンをなりたい!」と聞いたら、私は2つの質問をします。まず一つ目は「なぜ?」です。二つ目は「どれくらい欲しいか?」

例えば、上記の質問に対し、あなたが「私は有名になり注目を浴びたい!」と答えるとします。私からみると動機として不十分です。世界大会のチャンピオンにならなくても、達成する方法は他にもありますから。なぜ、このルートを通りたいのでしょう?と私は疑問に思います。

2番目の質問「どのぐらい欲しいか?」に対して、あなたは、「私は仕事で非常に忙しいです。時間があれば、取り組んでいきたいと思っています。」私は本当にその希望を達成したいとは思いません。チャンピオンになるためには、相当な時間をかけて努力する必要があります。チャンピオンになりたい爽快感よりも、チャンピオンになれない相当な苦痛が必要です。その気持ちがなければ、順調に進みません。

これを考えるとのW.O.O.Pというプロセスちょっと足りないです。あなたの希望と結果がわかっても、その希望が実現されない世界は味わってないです。変わらないまま、ずっと同じ路線を歩んだら、どんな人生になりますか。その変わらない人生の痛みは想像の中だけです。それを実体験で感じなければ体は動かないでしょう。生物学的には、私たちの体と脳は痛みを感じるとそれを避けるように作られています。

これなら明確


前例に戻ります。 「世界大会のチャンピオンになりたい!」もしあなたが全く挑戦しなかったら、そんな痛みはあるでしょうか?人生は大きく変わりません。あなたのプレゼンテーションスキルはノロノロ向上します。あなたが挑戦しないので、お金と名声は手に入りません。幾つもの大きな機会を逃してしまいます。人生を振り返ると、後悔は海ほど広く無限に見えます。偉大になれるのに、結局、しょぼい人生でした。ひとつも影響を与えない人生でした。あなたの子供や孫に良いロールモデルになりませんでした。それはリアルに想像したら痛いでしょう?

ポジ思考とネガ思考の力


結論として、私はまだポジティブ思考が必要だと言います。私たちは大きな夢を見ることが必要です。私たちは大胆な成果を出すように挑戦する事が必要です。しかしそれだけでは十分ではありません。高いビジョンに聴衆を魅了させることだけでなく、彼らに谷の底に突き落とされた痛みを感じる事も必要です。これは、平凡な人生の暮らしの嫌さもしくはまだ気づいてない大きな問題に直面している事かもしれません。何であれ、人にその痛みを感じさせることによって、やる気を持って、障害に直面して計画を作成します。あなたもこれを覚えているなら、素晴らしいモチベーションスピーカーになれます。人生は1つしかありません。人生は短いです。だから、聴衆にやる気を出せて、行動へ移させるようにスピーチを工夫しましょう。

プレゼンテーションをするためにスキルの他には何が必要でしょうか?

日本で5番目に高い槍ヶ岳を登るとしましょう。頂上へのアプローチは次のようになります↓

鎖場や梯子を使う場所がかなりあります。登山口から頂上まで直線距離で約22キロ以上あります。

あなたは、10年以上の登山経験があるとします。その技術的スキルだけで、登頂できるでしょうか?

違う例で見てみましょう。300人以上の前でプレゼンテーションをするとします。講演時間は45分です。あなたさんは、トーストマスターズで10年以上プレゼンテーションの経験があります。発表する会場はこのようなホールです。↓

このコミュニケーションスキルだけで、あなたが素晴らしいスピーカーである事を聴衆は評価してくれるでしょうか?

答えは間違いなく「いいえ」です。それらのスキルだけでは十分ではありません。いつどんな状況でも今ある技術で十分ではありません。ですから、スキル取得後、開けた道は楽に歩めると思わないでください。

じゃあ、どうしたら良いでしょうか?

私が槍ヶ岳登山から学んだこと

毎年夏になると、私は妻や友人と一緒に山に登ります。今年の夏は、長野県の上高地に行きました。登山中は、熱中症に苦しみましたが、最終的にはなんとか槍ヶ岳の頂上に行くことが出来ました。この活動の大きなメリットは、たくさんの考える時間があることです。特に今回、目的地まで10時間以上歩かなければなりません。さらにバカな事をやってしまうと、反省する時間が十分にあります。

登山中、私はつぎの2つを学びました。

1)知識を使わない行動は役に立たない

2)頂上に行くには、経験とスキル以外も必要

知識を使わない行動は役に立たない

あなたが私のような人であれば、実際に何かをする前に、おそらくいくつかのブログや特定のHPなどを見ていたでしょう。私は槍ヶ岳に関するブログやHPを事前に何度も目を通しました。水場所がたくさんあったので、1L容量のプラティーパス水ボトルを持ってきました。問題は、水ボトルから直ぐに水が飲めなかった事でした。水を飲む時に使用する専用のチューブを正しく設置しなかったので、水を出すだけでかなり苦労しました。仕事が終わってから帰宅して、1時間以内に準備して出かけたため、準備不足でした。考えが甘かったです。知識は素晴らしいかもしれませんが、知識に基づいた行動は更に素晴らしいです。

これもプレゼンテーションに似ています。私達は、プレゼンテーションに関する多くの本を読むことができます。 (私はそうしています。)しかし、現場でその知識を使わないと、何も変わりません。使えるのは、頭に詰まった本の知識だけです。それを取り出してテストし、聴衆の反応を得る必要があります。

間違いを認識し、訂正するプロセスが必要

人間は失敗することを恐れる生き物なので、試す事を避けようとします。私達は、他人から愚かに見えることを恐れています。実際に、私たちは学校で教わることです:間違い=痛みと恥ずかしさ。

しかし、私は違う見方をしています。

上手になるには、練習する事、間違いについてフィードバックを得て、その間違いを減らす事です。平均的な登山者とエキスパートの登山者の違い、平均的なスピーカーとエキスパートのスピーカーの違いは、特定の状況で行われたミスの数がエキスパートの方がはるかに少ないことです。これは、基準(黒白をつけるため)を定める事が必要だけでなく、そのパフォーマンスを向上するためにフィードバックを素早く得る事も必要です。

登山では、怪我なく無事に帰ってくることが基準です。一方、プレゼンの場合、それよりはるかに複雑です。私は常に、プレゼンテーションで目標を設定する事を勧めています。例えば、単純に「プレゼンテーションが面白かった!」と言わせるコメントをもらうのか、未来のさらなる集客を目指し、個別相談したくなるようなプレゼンテーションにするかです。ただ、一つのプレゼンはあくまで一つの通過点にしずぎないので、最終的にどんなスピーカーになりたいのか?を具体的に決めると良いでしょう。これは目標・目的を定めるためです。これらの目標がなければ、基準がわからないし、フィードバックをどのように得たいかもわからないでしょう。もちろん、途中で変えても大丈夫です。

といえ、登山とプレゼンテーションにおける特定分野の技術スキルを向上させる手段に過ぎないです。私は冒頭で、スキルが十分ではないと言いました。何かをうまくするために、私は5つのレベル学習に気づく必要があると思います。

  1. データ
  2. 情報
  3. スキル
  4. 才能
  5. 習慣

多くの場合、2または3で止まってしまいます。

データと情報

あなたがこれまでに得た知識で、理解して使用できる方法で処理していない場合、それは情報ではなく、単にデータ、事実、数字などでしかありません。何らかの形で整理しなければ、あなたの脳を困らせるだけです。脳がその状況を嫌いなので、データ、事実、数字にときめきしなければ、さっさとそれを脳(記憶)から排除します。が記憶することに苦労しているなら、おそらく自分にとってデータの意味付けと整理が得意ではないかもしれません。

スキル

スキルは情報+身体的/精神的能力です。スキルは精神的にも身体的にも2つのグループに分かれています。たとえば、あなたの頭の中の数字を素早く乗算するスキルがあります。ただ知識だけ、つまり、数字を二乗するトリックを知っているだけでは不十分です。これはあくまで単なる情報です。75 x 75を処理する場合に、まず、その方法を思い出して、適切にその情報を使い、75 x 75 = 5625との答えを書き、もうしくは言います。やり方がわかっても、実際に使わない、適切に使わないなら、身になりません。スキルにもなりません。

身体的なスキルの良い例は、ゴルフクラブをスイングすることです。練習すると◯◯さんの体が望むように行動します。フォームを調べ、必要に応じて調整する必要があります。そうすることで、距離と精度を向上させることができます。

しかし、ほとんどの人が立ち止まってしまう事は、スキルを適正に分析、分解していないということです。プレゼンテーションスキルは1つのスキルではありません。身振り・手振り、聴衆とのつながり、パワーポイントデザインなどの複数要素から構成されます。個々はスキルと言えますが、さらに細分化することもできます。複数の要素を同時に意識しながらスピーチする事は相当に難しいです。個々の要素を全てマスターしたい!!という気持ちはよくわかりますが、個々のスキルを分解して何をいつまでに習得するか優先順位をつけて計画的に積み上げていく必要があります。スキルマップと達成したい目標を明確にすることが必要です。そうすると全体的に進みやすくなるでしょう。

才能

才能 = エネルギー + スキル + 自信

私は意図的にスキルと才能と区別しています。人によっては、スキル=才能と定義する方もいます。また、多くの人が才能を先天的なものと勘違いする傾向があります。

例えば、「彼の創造性は生まれつきである」「彼女が面白いのは生まれつきである」。どちらも生まれつきではありません。これらの能力を開発するために、見えないところで時間やエネルギーをかけただけです。あるいはその様な環境下で育っただけです。

それでは、エネルギーと自信はどこから来るのでしょうか?自信は、スキルを必要とする精神的な許可です。自信がない場合は、スキルを最大の能力として使用することはできません。ステージ恐怖症はまさによい例です。或いは、崖の上からぶら下がっているはしごをのぼらなければならない時に、登りきれるか心配になり、自信がなくなる例もありますね。

したがって、自信は、スキルを発達させ、才能を使用する事で身についていきます。良い先生はこれを知っています。安心・安全な場所で、小さな失敗を繰り返して克服してから、ステージへ送り出します。悪い先生はさっさとステージに押し出します。

エネルギーは2つのグループに分けることができます。不健康な食事で運動不足、暑い日に十分な水分を補給しない場合、スキルを使用するのに必要な身体的エネルギーが出せません。才能のある人は、栄養バランスの良い食事と適度な運動、十分な水分補給をして、物事に取り組みます。

しかし、それは単に身体の表面的しか捉えていません。例えば、集中力や感情のコントロール、良い意思決定をするのに十分な精神力が必要となります。瞑想、ヨガ、さらには夜に良い睡眠を取ることは、より精神的なエネルギーを作り出します。感情によりエネルギーを消耗させられる人々と一定の距離を置くこともプラスに作用します。

習慣

習慣は単に自動化された学習です。私はこの習慣化が学習の最終目標と考えています。つまり、学習した事をあまり意識する必要はなく、必要なときに使えます。そうすると多くのエネルギーを必要としません。判断や行動は"自然"または "直感的"ように感じます。

ただ、才能が習慣になっているので、「自然」または「直感的」と思われるものはすべてではないということではありません。心や体の習慣となった誤った情報や誤った信念などが生まれることは沢山ありますから。

さらに、才能を習慣に変えることは時間を要します。複雑なプロセスはありませんが、小さな行動を繰り返す事で習慣化されます。

エネルギー+自信+スキル = 才能あるプレゼンター

つまり、スキルを持っているだけでは十分ではありません。必要な時にあなたのスキルを最大限に活用できるように、あなたはエネルギーと自信を持っている必要があります。より熟練したスピーカーが若手に負けることは少なくありません。人はその時々の状況で、どのようなパフォーマンスを出せるか分かりません。しかし、自分のエネルギーを注意深く管理し、自信を持たせ、スキルを向上させることで、自分の才能をステージや山頂で輝かせることができます。では、次回にお会いしましょう!

 

先に言おう!一番大切なものを埋蔵していませんか?

先日、神田でMさんのスピーチを聞きました。 Mさんはいつも面白い話をするので、毎回楽しみにしています。Mさんは、徳川家康がウィリアム・シェイクスピアの演劇をみた可能性のついてお話しされました。 265年以上続いた強力で安定した幕府の創設者と英国の有名な劇作家との間に関係があるとは思いもしませんでした。題材の選択は素晴らしいです。しかし、その題材をスピーチとして形にする中で、おやっと思う事がありました。重要な要素と面白いエピソードが隠れていたのです。それはどんな事でしょうか。

まず重要なのは、ストーリーアイデアをどのように形にするかです。その過程には、さまざまな落とし穴が隠れています。2つの例をあげましょう。まず、導入部で一番言いたいことに触れていない。更に、導入部で触れていても、ストーリーのフレミング(意味づけ)が効果的に使われていない場合です。 導入部の役割は、聴衆があなたのジェットコースターに乗って、これから始まるスピーチに心を躍らせる仕掛けを作ることが必要です。 そのためにも、上記の二つは要注意です。

Mさんのプレゼンテーション概要を見てみましょう。以下の順序でスピーチが構成されていました。

1)徳川家康は三浦按針からウィリアム・シェイクスピアについて学んだ。
2)三浦按針の背景と徳川家康との関係
3)三浦按針はシェイクスピアの4大悲劇について徳川家康に講演した。
4)徳川家康は継承者について非常に困っていた
5)リア王の概要と継承問題
6)徳川家康がリア王から何か学んで継承問題を解決した 

リードを埋めないで!

この順番は、「リードを埋める」だけになっていました。つまり最も重要な結論を最後に置いてしまった。6)を聞いた後、聴衆は、ようやくすべての言いたい事が繋がりました。そして徳川家康がシェイクスピアについて聞いたことの意義も最後にわかりました。これらは最後でなく最初に置く方が良いと思いました。 最初は聴衆が興味を持たせるように文章をつくり、問題に言及します。その後で解決策を提示し、過程を詳細に話しましょう。 

フレーミング(意味づけ)

導入部は重要だけでなく、フレーミングも重要です。私たちは、このようなフレーミングにしたら観客が自然にそのフレームを受け入れてストーリーを聞いてくれます。

二つの導入部

オリジナルと私が提言したものを比較しながら見ていきましょう。

オリジナル (導入の要約)
徳川家康は、ウィリアムシェイクスピアのことを聞いているかも知れません。2人はほぼ同じ時代を過ごし、同じ年に死亡しました。研究資料によると、三浦按針がシェークスピアの演劇を徳川家康に講演したことを示している。おもしろいでしょう? ...

この導入は面白いネタとしての情報を意味付けしてしまいます。暑い夏の夜に居酒屋で冷たいビールを飲みながら、このトリビアを共有したら話題になる事でしょう。しかし、私が先に言及した1〜6のスピーチ構成を見ると、重要なことが抜けています。残念ながら、導入部でこのストーリーを安売りしてしまいました。この話を正確に意味付けしましょう。

私が提案した導入
B)最近の調査で、徳川家康が英国の偉大な劇作家ウィリアム・シェイクスピアとの関係性がわかりました。ウィリアム・シェイクスピアの演劇の影響により、日本の歴史が変わったかもしれないことがこの研究によって明らかにされました。それはどんな事でしょう。

徳川家康は、重大な問題に悩んでいました。この問題は彼の問題だけではなく、織田信長と豊臣秀吉も同じ事で悩みました。彼らは、継承方法と継承者の選択で大失敗しました。徳川家康だけが約265年間続く幕府を樹立することができました。徳川家康が彼らと同じ運命にあったら、江戸時代はなかったかもしれません。他アジア国々と同様に日本はヨーロッパのもう一つの植民地になったかもしれません。しかし、徳川家康はシェイクスピアの演劇「リア王」を聞き、継承問題に対する大ヒントを見つました。 ...


A)を聞いたら「ふ〜ん」で終わるかもしれませんが、B)を聞いたら、継承者の問題!?とあなたは前のめりになるかもしれません。そして、どうやって、「リア王」を手に入ったか?どうやって、継承者の問題を解決したかなどの質問がポロポロでてきます。

つまり、「徳川家康がウィリアムシェイクスピアの演劇を聞いた」という面白い事実だけでなく、「江戸時代の長期化に繋がった」と伝えればより聴衆の興味を惹きつけます。ウィリアム・シェイクスピアの演劇が日本の歴史の進路を変えた可能性があるという重大性を結論でのみ触れるのはもったいないです!

敵は起承転結にあり!

タイプの問題はアジア人のストーリーテリングでは珍しいことではありません。このようにストーリーを整理する傾向があります:

1)起
2)承
3)転
4)結

この構成では、一番美味しいものが最後になってしまいます。悪い事ではないですが、効果的ではありません。次に何が来るのか伏線がないと、「結」で聴衆が気がつないかもしれません。聴衆はこちらが意図する話と別の所に興味を持つかもしれません。従って、導入部は注意深く作成しなければなりません。最も良い導入部は、聴衆の興味を惹きつけるような問題を設定し、問題の重要性を明示します。

映画CMの構造を盗む

これは、映画CMの作成方法と非常によく似ています。あなたが見た最新の映画CMを想像してみてください。そのCMで、何が起こっていますか?どんな情報が伝わってきますか?おそらく、主人公の世界や問題、そしてその問題の意味について紹介された場合が多いと思います。その紹介が上手であれば、もっとその映画を見たくなるでしょう。そのCMの展開や構造を考えて、それをパクってスピーチの導入部に使えば良いでしょう。 

結論

興味深い話を考えているときに、素晴らしいアイデアを持っていることだけで自己満足で終わらないようにしましょう。アイデアが素晴らしい場合は、慎重に導入を設計しましょう。意図的に興味を持たせるように構成を文章を考えましょう。最初に問題とその意味を述べると、自然により多くの関心を引くことになります。一番美味しいのものを最後に置くことではなく、始めにそれを味見させてください。そしたら、聴衆はあなたに以前より感謝するでしょう。

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*私は英語のプレゼンテーションが上手くなりたい人々のためにコーチングや相談にのっています。興味があれば、私にメールしてください。

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なぜあなたの安全帯地から抜け出るのが難しいのかー5つの課題

こんにちは!

GWに入りました。私が休暇時にする好きなことの一つは、たくさんの本を読むことです。一般的に英語の本は1,100 wpm (1分当たりに読む事ができる単語数)です。ちなみに平均は約200〜250 wpmです。従って、一日に1〜2冊を読むのはそれほど難しくありません。ただ、日本語の本を読むと半分のスピードになってしまいます。私はフォトリーディングをしません。科学的根拠がないからです。そのかわり集中する方法を工夫しています。

さて、私が最近読んだ本は、Andy Molinsky氏の「Reach」です。この本では、「なぜ人々は自分の安全帯地から抜け出したくないのか」「必要なときにどうやって抜けだせるか」について述べられています。安全帯地から抜け出すためによくある定説に「グリット」、つまりやり抜く力が必要です。自分の安全帯地から抜け出すのが得意な人は、グリットだけではなく、他を工夫しています。以下は、本の3分の1を要約しています。

あなたの安全帯地から抜け出せない理由には、次の5つの課題があります。

  • 真正性
  • 好感
  • 能力
  • 怒り
  • マナー

真正性の課題

スピーチの際に、大袈裟に言ったりジェスチャーを使う事を想像してください。多くの人はこれらに対して抵抗があります。メロドラマ的あるいは偽りのように感じるかもしれません。これが真正性の課題です。あなたが考えている新しい行動が「あなたらしい」と感じられない為です。これは普通の感覚です。 "古い"あなたが "新しい"あなたになるには時間がかかります。毛虫が蝶になるのに時間がかかるのと同じです。それでも変化には恐怖が伴いますね。

好感の課題

ほとんどの日本人は大袈裟なジェスチャーを使いません。ほとんどの日本人は、ステージ上をあちらこちら歩き回りません。このような動作に対して、聴衆はどのように感じるでしょうか?好感的にとってくれるでしょうかそれとも嫌悪感を抱くでしょうか?この課題を持つ人はどうしても聴衆に好感を持って欲しくて、冒険することを恐れてします。冒険や自分を変えると、他人から嫌われるだろうと思ってしまいます。この恐怖が長く続くとずっと平凡な状態に陥る可能性があります。

能力の課題

先の課題と似ています。聴衆から好感を得る事よりも、「バカ」や「失敗してしまった」と思われたくないため能力を伸ばそうとしない人です。例えば、ジェスチャーやテクニックを使うとスピーチが効果的に聴衆へ伝わるのに、聴衆の前で上手く使えず大失敗に繋がる事を恐れて何もしません。この様な恐怖を感じる人には、三つのタイプがあります。第一に、面子を保ちたい人です。このタイプは、面子を守るために、新しいことをしないのです。第二に、そもそもこのような経験がない人です。このタイプは単純に経験がないために、失敗して聴衆から拒否されたくないと考えます。第三に、周りに配慮する人です。この人は他人より優れたスキルを手に入れようと試みますが、聴衆や友達などから嫉妬されるだろうと怖くなりスキル向上を諦める人です。

上記以外のパターンで、一番ダメなタイプは「やれば出来るだろう」タイプです。この人は向上できない言い訳を自分で作っています。例えば、「もっと時間があったら」と言い訳する人に時間を与えると、この人は別の言い訳を作ります。とにかく「出来ない事」が現実になることを恐れているので、能力を伸ばせそうとしないのです。

怒りの課題

上記三つの課題には、自分の中にある恐怖が根底にあります。ここでの課題は、他人から依頼された項目を受容出来ない場合です。例えば、「プレゼンをやれ」と上司から命令されても素直に受け取れず、抵抗する人はいませんか。「なぜ私がプレゼンをしなければならないのか!?上司はなぜいつも無茶振りするのだろう。」とか、「時間に余裕がある人がいるなのになぜ私なの!私は忙しいんだよ。」と思った事があるかもしれません。スキルを向上すれば、プレゼンをすること自体はたいした事ではありません。しかし、問題は自分にあると考えず、上司や他人に責任転嫁して自分の問題として受容出来ません。ですから、自分が変わらないと微塵にも思いません。その考えが変わらないまま、スピーチをやる事になるため、不安を解消できないまま、依頼者をただ憎んでしまいます。

マナーの課題

この課題は、起こる確率が低いです。たまたま、自分が信じていない事項についてスピーチやプレゼンする場合があります。これは、仕事上でやらざるを得ない場合かもしれません。例えば、タバコの利点についてスピーチする予定があるとします。しかし、自分自身はタバコは悪であり、そもそも利点が全く存在しないと感じています。こういうケースは滅多いないです。別のケースは直接反対意見をいうなら、マナー違反です。特にアジア人においてはこのケースはあります。そうすると、欧米人の前に別の方に対して、はっきりした反対意見の触れるプレゼンをやるには相当難しいです。ただ、欧米圏において、うまくビジネスにするため、はっきりした反対意見が言えるは必要なスキルです。言われる文化的で器用(Cultural Dexterity 英語リンク)というスキルが必要ですね。

スピーチを含めた行動を変えたいと思っていても、私たちは私たちの安全帯地からなかなか抜け出せられません。理由は上記の5つの課題である、真正性、好感、能力、怒り、マナーです。

あなたが安全帯地から抜け出しにくいと感じる状況に直面しているときは、まずどんな課題に直面しているか考えましょう。そのことを知ることによって、克服する手立てが見つかるかもしれません。

安全帯地から抜け出したいと思った事はありますか?もし安全地帯からなかなか抜け出せないでいる場合、どのタイプの人ですか?どんな課題がありますか?私に共有してくれば、よろこんでコメントします。

*この記事についての質問やコメントがあると嬉しいです。役に立たつと思ったら、友達や知り合いに、シェアしてください。

役割モデルのベスト・ユースは何ですか?

「素晴らしいパブリック・スピーカーになる秘訣は何ですか?」という質問をよく聞きます。 私のアドバイスはCal Newport氏の書籍タイトルを拝借して「So Good They Can`t Ignore You」(無視されない名人になろう)です。

しかし、このアドバイスの理解はできますが、名人になるための具体性は全くありません。

これは、「あなたの情熱に従ってください」という類いのアドバイスと同じです。まず、多くの人は、自分の情熱が何であるか分かりません。先程のアドバイスにある「名人」や「素晴らしいパブリック・スピーカー」について自分なりの定義を持つ事が大事です。

スピーチの基本を習得した人ほど、明確な定義づけがありません。質問の「素晴らしいパブリック・スピーカー」は、「素晴らしい芸術」と同質です。多くの人は素晴らしいスピーチや芸術に触れた時に感覚的に理解しますが、「素晴らしさ」を自分なりの言葉で定義するのはきっと難しく感じていると思います。

たとえば、友人が「良いスピーカーとは何か」と尋ねてきたら、どのように答えますか?

私ならば、 良いスピーカーは「人を動機付けし、壮大な物語で、聴衆と良く会話ができる人」と回答するでしょう。

私の知見に基づいたお手本となるスピーカーのリストを共有します。リストには、スティーブ・ジョブズやトニー・ロビンズの名前がありますが、先ずは身近なロールモデルを見つけることをお勧めします。なぜなら私たちは個々が好むスタイルがあるからです。

しかし、そのスタイルが何なのか分からないと思う人が多いと思います。そのため、スタイルを次の2つに分解したいと思います。

a)特定の要素にこだわる

b)他人のフレーズを引用

素晴らしいスピーカーになるためには、8つの要素があると考えます。それは、言葉使い、声の変化、体・顔の表現、内容/構成、視覚教材・道具の活用、ストーリーティリング、聴衆との関係作り、メンタルです。私は特に言葉使い(レトリック使用)が重要と考えています。

言葉にこだわるスピーカーとして誰を思い浮かべますか。私ならば、チャーチルやオバマを選びます。

レトリックを使用したフレーズと聞くと何を思い浮かべますか。私ならば「国が自分に何をしてくれるかを問うのではなく、自分が国に何ができるかを問いたまえ」(John F. Kennedy) や「より大きな意味では、我々がこの地を捧げたり、神聖化したり、清めたり、奉献することはできません」(アブラハム・リンカーン)などを選びます。

このように有名なフレーズを使用するのは難しいかもしれませんが、フレームワークを活用する事はできます。Kennedyのフレーズの場合は、「AがBに何をしてくれるかを問うのではなく、BがAに何ができるかを問いたまえ」です。

たとえば、「芸術私たちに何をしてくれるかを問うのではなく、私たち芸術のために何ができるかを問うのだ。」

このフレームに「問う」という動詞を変えて活用することもできます。「芸術が私たちに何をしてくれるかを言わないで、私たちが芸術のために何ができるかを言いましょう。」 さらに、動詞以外にも変化をつけると面白くなるかもしれません。

「芸術が私たちに何を教えてくれるかをを問うのではなく、私たちは何の芸術を教えるかを問うのだ。」このように、1つのフレームワークで何通りも応用が効きます。フレームワークで遊んでください。そうすると素晴らしい言葉が次々と浮かび、あなた自身が驚くかもしれません。

リンカーンのフレーズでしたらどのように活用できるでしょうか? “..大きな意味では、私たちはこの地を捧げたりすることはできません — 私たちは神聖化することはできません — 私たちは清めることはできません”

これは、”私たちはAできません、Bできません、Cできません。つまり、A,B,Cは類義語であり、「三の法則」を使っています。

ところで、修辞技法を使うとき悩んでしまいませんか。例えば、 “私は包み込むことができない、私はパッケージ化することはできません、私はバッグ、この愚かな贈り物をすることはできません。”

このようにコツを掴めば決して難しいことではないのですよ。

これまでは、素晴らしいスピーカーに焦点を当てて話してきましたが、素晴らしいスピーカーだけを参考するならば、参考例に限界があります。もっと想像的な表現を作りたいなら、様々な資源を参考にして、組み合わせると良いと思います。つまり、TEDトークの素晴らしいスピーカー以外に、コメディアン、俳優、作家、詩人、広告、コピーライターの方々も参考にすると良いでしょう。

実際に素晴らしい言葉のインスピレーションはどこにでもあります。周りを見渡して下さい。

次に作家に焦点を当ててみたいと思います。好きな著者が書いた散文や本はありますか?

古典の作品を取り上げてみましょう。”それは最良の時代であり、それは最悪の時代であり、…それは絶望の冬だった(ディケンズ、二都物語)

少し最近の散文ならば、次がオススメです。

「タイムは幻想です。ランチタイムは二倍ほどの幻想です。」(ダグラス・アダムス、ヒッチハイクの宇宙ガイド)

繰り返しますが、これらのフレームワークを使って独自の方法で言葉を組み込むことができます。ディケンズはコントラストを使う良い方法を示しています。例えば、医療に関する政治的な話をする場合に、ディケンズのフレーズをこのように使うことができます。

「私たちは最高の医療を提供しなければならない世界に住み、最悪の医療を提供している世界に住んでいます。私たちには最高の医師がいます。私たちには最悪の医者もいます。」さらに、アダムスのフレーズを引用して “多くの人にとって、健康保険は錯覚であり、合理的な価格の健康保険は二倍と言えるでしょう。」

作家や散文に固執する必要はありません。Robert FrostやEmily Dickinsonのような詩人からヒントが得られます。あるいは、セコウ・アンドリュースのようなもっと最近の作品も良いかもしれません。あなたがTED上での詩人を主張するならば、RivesかSarah Kaysが実施したことを調べてください。

何度も言いますが、作家、散文、詩人だけに固執する理由はありません。雑誌、新聞、広告などの良いタイトルやインスピレーションも役立ちます。 「大きく考えよう、小さく考えよう。違うと考えよう」これは順番に、IMAX、フォルクスワーゲン、アップルのスローガンが並んでいます。

スピーチやプレゼンテーションを次のレベルに進めたいときは、良いロールモデルを探してください。しかし、ビッグネームにこだわる必要はありません。最初にどの要素にこだわるか決めてから、たくさんの異なる例を見て、それらと遊んで、あなたのスピーチで試してみてください。私たちは見たり読んだりすることで多くを学ぶことができますが、そうすることでもっと学ぶことができます。だから、やってみましょう。

コメント、ご感想などがあれば、是非、共有してくださいね。

タイトルと苦難:タイトルを作成する方法


スピーチにどんなタイトルをつけるか悩んだことはあると思います。私もよく悩みます。赤羽バイリンガルトーストマスターズが国際本部登録に向けて活動をしている中で、ベストタイトル賞の導入を提案しました。それをきっかけに、多くのメンバーがタイトルを意識し、タイトルに思いを込める様になりました。どんなスピーチでも聴衆の第一印象はタイトルからはじまるんですからね。
 
素晴らしいタイトルは注目を集めることができます。素晴らしいタイトルは好奇心を呼び起こすことができます。素晴らしいタイトルもまた記憶に残るはずです。一方、悪いタイトルは、一部の人々がその先のスピーチ軽視する可能性があります。悪いタイトルは人々を混乱させる可能性もあります。しかし、良いタイトルは悪いスピーチを救える事ができませんが、悪いタイトルは素晴らしいスピーチの始まりを妨害する可能性があるので注意しましょう。
 
私が先日参加したスピーチコンテストでは、次のタイトルによるスピーチが披露されました。

  • How to Survive an Accident 事故から生き残る方法
  • Fear is Your Friend 恐怖はあなたの友人である
  • Time Machine タイムマシン
  • Too Late もう遅すぎる
  • Why me なぜ私
  • Dance ダンス 

もしタイトルしか知らなかったら、どのスピーチを聞いてみたいですか?私でしたら「恐れはあなたの友人である」が一番聞いてみたいです。かなり新鮮なタイトルと思います。どうしたら恐怖が友人になるか興味津々です。
なぜそのタイトルを選びましたか?どんな言葉に引きつけられましたか?

私は、素晴らしいタイトルは次の3つの要素が含まれていると思っています。
 
1)好奇心を刺激するもの
2)記憶に残るもの
3)あなたの重要なメッセージ
 
こう見えて、素晴らしいタイトル作成はそんなに難しくはないです。3つの要素を意識することが必要です。では、順に見ていきましょう。

1)好奇心を刺激するもの

タイトルはあなたが「知りたい!」という気持ちを作り出します。 
「(Ouch!)痛い!」のような単純なタイトルは、どんな種類の痛みなのか好奇心を引き出すと思います。 「Get Good Storytelling with Bodytelling(bodytellingによる良いストーリーテリング)」のようなタイトルは、bodytellingが何で、そしてそれがストーリーテリングにどのように関連しているのか。興味が次々と湧いてきます。

2)記憶に残るもの

さまざまな修辞技を使う事で、簡単に記憶に残るようにできます。例えばタイトルを短くしましょう。修辞学の技術、例えば一連の類似した音や数字を使用しましょう。想像や感情を呼び覚ます単語を含みましょう。一例として、「Eye in the Sky」は「Spy Satellites」よりもはるかに記憶に残るタイトルでしょう。 

3)あなたの重要なメッセージ

タイトルを通して貴方のメッセージを直接言う必要はありません。ヒントになれば十分です。たとえば、あなたのメッセージは「ヒーローになってください」とします。メッセージとタイトルが同じならば、「ヒーローになろう!」となりますし、タイトルがヒントになるならば 「急場を救う」となります。質問型でしたら、「誰がヒーローですか?」となります。この様にいくつかの方法があります。 
さて、これらの要素がどのようにタイトルに反映されているか見てみましょう。
 
先ほどのスピーチコンテストでのタイトルです: 

  • How to Survive an Accident 事故から生き残る方法
  • Fear is Your Friend 恐怖はあなたの友人である
  • Time Machineタイムマシン
  • Too Late もう遅すぎる
  • Why meなぜ私
  • Danceダンス 

1単語のタイトルは時に聴衆を引きつけます(英語タイトルのみ、因みに殆ど和訳タイトルはダメと個人的に思っています)。例えば、「Blink(日本語タイトル:第1感)」、 「Originals(日本語タイトル:Originals)」、 「Sapiens(日本語タイトル:サピエンス全史)」は、本のタイトルでカッコ良く纏まっています。しかし、「Dance 」は、前の3つとは異なり、一般的な言葉です。話し手には、強い感情や想いがあるかもしれません。話し手には鮮明な画像が思い浮かぶかもしれません。しかし、私はパッとしないと感じます。それは記憶にも残りません。あまりにも情報が少なくて、好奇心も起こりません。また、メッセージに接続するには短すぎると感じました。
 
スピーチは、踊りという比喩を使用して人生を楽しむという内容でした。雨の中で子供が踊るエピソードがありました。「雨に唄えば」という映画のように、「雨にダンス」や「雨に踊れば」をタイトルとすれば、聴衆は覚記憶に残り、好奇心を呼び起こしやすくなり、重要なメッセージにつながりやすくなります。
 
次に「Fear is Your Friend(恐れはあなたの友達です)」を見てみましょう。
これは聴衆の好奇心を引き起こせると思います。まず、ほとんどの人は恐怖が友人ではないと思うからです。普通に考えると恐怖は敵ですよね。この矛盾をどの様に解決されるのかを知りたいという気持ちが湧いてきます。また、タイトルには素晴らしいリズムもあります。(Fear)恐怖と(Friend)友人は似た音で組合せています。このスピーチでは、「恐怖はあなたの友人である」がキーメッセージとなっています。結局、「恐れはあなたの友達です」という考え方を持ってば、人生がさらにうまく行くとスピーカーが訴えました。
 
次のスピーチについて考えているときは、スピーチタイトル作成に十分な時間を作って下さい。聴衆の印象はタイトルからきます。好奇心を喚起するかどうか、記憶に残るかどうか、そして、主なメッセージに関係しているかどうかを検討しましょう。もしそうなら、タイトルで苦難は少なくなりますよ。
 
このメールマガジンの読者の皆さんは、日頃からプレゼンテーションに取り組まれていることでしょう。ぜひ、感想やタイトルの悩みを共有してください。会話を続けましょう!

AIと喪失

「以前のメルマガの続きではない?」と見出しで思われたかもしれません。その通りです。今回は「すごいパワーポイントスライド」の作り方」を延期します。AIに関する話です。愛(AI)の話ではありません。

 私のお気に入りブログ「Stratechery」の記事にある「狭いAI (人工知能)が職場に大きな影響を与える」を取り上げたいと思います。人によっては、行動に移さないと雇用問題に発展していく可能性があります。これはプレゼンとも関係があるので、最後に言及します。

「広い」と「狭い」AI

AIと言ったら何を思い浮かべるでしょう?スタートレック・エンタープライズの人工知能でしょうか?それとも、マトリックスやターミネータからのスカイ・ネットでしょうか?どちらも「広い」AIです。つまり、知識が幅広く、どんな話題や問題などでも対応できます。テスラモーターズやSpaceXの創業者であるイーロン・マスク氏は、「広い」AIが実現されることについて恐れています。だた、良くても悪いくもそういう「広い」AIはまだまだ発展途上にありこれからです。

一方で、「狭い」AIは既に存在しています。「狭い」AIは「広い」AIと違って、ひとつの仕事しかできません。Google Deepmindによって開発されたコンピュータ囲碁プログラムのAlphaGoは、韓国のプロ囲碁棋士李世乭に勝ちました。ただ、AlphaGoは囲碁しかできません。たとえ範囲が狭くても、かなりの実力を持っています。このようなAIは、グーグル社、テスラモーターズ社、ウーバー社などが開発し、車に搭載しようとしています。

さらに富国生命保険は、人工知能を活用した業務効率化により、34名の人員削減をしました。このような技術は定型業務であるため、保険、法律、会計、医療など関係のホワイトカラーの仕事にも波及します。野村総合研究所の報告によると、日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能であるとのこと。ということはあなたの仕事もしくは知人の仕事はこの10年以内に確実にAIに奪われます。

49%

上記の49%の中には、レジ仕事も含まれます。Amazon は、Amazon Goによるセルフレジの営業を開始しました。課題はありますが、Walmart、英国のSainbury`sで試験的に導入され、ローソンも10店舗で使用しています。課題が解決され、運用性が高まればレジ仕事が日本から消える可能性が高いです。

自動運転の普及を考えると、タクシー、運送トラック、自動車業界は打撃を受けます。消費者は車を買うより自動運転の車を借りるようになり、トヨタ、日産、ホンダ、マツダなどの工場従業員やこれらの企業の下請け会社も大きな影響を受けます。

自動車業界に限らず、製造業の雇用もどんどん減っていきます。トランプ政権のように、政治家は国内の製造業の雇用削減を企業に責任転嫁していますが、その製造業でも自動化は進んでいます。鴻海精密工業(iPhone等の製造者)は工場の自動化によって6万人を解雇しました。

高収入もリスクがある

高収入の仕事も安全ではないです。AIに置き換わる可能性の高い仕事として、銀行員、投資ファンドマネージャ、保険業者、保険査定員、パラリーガル、医療技術者、俳優の一部(ローグ・ワンという映画に出たグランド・モフ・ターキンの再現)などがあります。

富国生命保険は、日本IBMのAIワトソンを使う代わりに、34人の人員を削減しました。毎日新聞の記事によると、AIワトソンへの先行投資は1年半で元が取れます。その後は、毎年約1.25億円を節約する事ができます。無視できない数字です。

日本のシンプレクス株式会社では一つのファンドをAIのみで運用しています。このファンドは5,600億円(560 billion yen)を扱っています。今年で額が倍になる事を見込んでいます。さらに、大手ヘッジファンドのBridgewater Associatesは、AI開発も手掛けています。AIを用いると無料で運用できるならば、会社は高収入投資ファンドマネージャの給料を支払うでしょうか。

ということは、たとえ難しく、どんな複雑な仕事でも、データ分析の仕事はAIに奪われます。運転者やレジ係と違って、投資ファンドマネージャ、保険業者、医療技術者の仕事は、わりと簡単にAIへ置き換えられます。特別な機械・装置は必要ではありません。

品質の良いソフトウェアがあれば十分です。つまり、先行投資して運転者などをAIに置き換える事は容易くて、尚且つ人件費を考えると、投資ファンドマネジャなどをAIに置き換えるのは間違いなくお得です。

AIの開発と導入、普及は益々加速する恐れがあります。上記に述べた仕事がほとんどなくなるのは時間の問題です。その仕事は電話交換手、計算人(ところで、「Hidden Figures」という映画は1950年代、NASAで働いて、計算をする仕事について面白く描写します)のようになくなり、「その仕事は何だっけ?」という存在になり得ます。しかし、問題はその仕事がなくなるではなく、そのなくなるスピードです。なくなる前に要するスキルを手に入れないとその先が難しくなります。

ですから、私達はもっと早く学習でき、もっと深く学習でき、なおかつ、想像力の学習が重要になってきます。 そして、いわゆる人間スキル・コミュニケーションスキルを身につけることがさらに必要です。プレゼン・スキルもその一つです。良いプレゼンは情報を提供することだけではないんです。グーグル先生はそれぐらい簡単にできます。良いプレゼンはスライド作成でもないです。自動的に資料を作ってくれるソフトも存在しています。人間は新たな発想ができます。人間は気持ちを変える事ができます。人間は行動を起こさせます。脳・こころ・手は我々の最高の財産です。そして、「狭い」AIに置き換えられないように、私達が持っている財産を最大限使う必要があります。

交差点に立つ

まず、目の前にある仕事についてよく考えてください。定型業務はどれほどありますでしょうか?「狭い」AIがさらに普及したら、あなたの会社はどんな影響を受けますか?あなたが所属している業界はどうなりますか?自動車業界のようにこれから衰退してきますか?全体からみるとどうなるでしょうか?

そして、今の仕事が仮になくなったら、これからやりたい仕事は何でしょうか?どんなハードやソフト・スキルが必要でしょうか?それをどうやって習得しますか?これからの時代をどうやって成功したいでしょうか?

ここまで自分の仕事を考えている人は結構少ないです。AIと共存できる仕事を模索し、今から行動に移せば、はるか先に進む事になるでしょう。ご感想を聞きたいので、是非を教えてください。今後のブログのため、仕事の・スキル取得・プレゼンの不安などがあれば、遠慮なくお聴かせてください。では!

 

すごいプレゼンテーション・スライドの作り方—5つのステップPartIIIー

前回はブレインストーミングと構成について具体例を紹介しながら話しました。今日はストーリー・ボードの作り方についてお話しします。
 
1日目:題材のブレインストーミング
2日目:構成してみる
3日目:ストーリー・ボードを作る
4日目:スライドを作成する
5日目:練習する
 

ストーリー・ボードは一体何?

*|LNAME|*さんは、ストーリー・ボードを知っていますか。プレゼンテーションのスライド作成になぜ必要でしょうか。
ストーリー・ボードはストーリーを視覚化するため、たくさんのラフスケッチが並んでいる事です。このラフスケッチは絵、図、文字などを組み合わせて作られています。これを作る事によって、全体図が見えますし、複数のアイデアについて、時間をかけることなく試すことが出来ます。さらに、気軽にスライドを変えたり、捨てたりできます。
 
この手法は1930年代にウォールトディズニーが開発したものです。この手法により早く安くアニメを作る事が出来ました。
作成者が長時間をかけてあるネズミの動きを書いたとします。しかし監督はそのシーンは要らないと判断します。作成者は落胆しますよね。さらに作成時間の給料もパーとなりました。ペンを投げたい気分です。
もし作成者が、ラフスケッチを書いて監督と話し合ってから絵コンテを作成すれば、時間短縮になるし、給料はパーにならないし、監督との喧嘩も減るでしょう。だから大きな作業にかかる前に、ストーリーを見える化して、関係者と話し合ってから作業に入りましょう。
 

様々な場で活用される

この手法はアニメだけでなく、実写映画、ソフト開発、そしてビジネスプレゼンも活用されています。実写映画でも、アニメ映画と同様にストーリー・ボードを活用しています。最初に活用された実写映画は「風と共に去りぬ」です。
時間の経過と共に、ソフト開発者やビジネスマンにも徐その手法が受け入られるようになりました。ソフト開発者はどうやってこの手法を仕事に活用するのでしょうか。開発者は「ユーザー・ストーリー」を作ります。つまり、あるタスクを行うため、最初から最後までユーザーがどうやってソフトを使うかのストーリーです。ユーザーが見るだろう画面やメニューをスケッチして、動作が円滑に進められるか、混同する所はないか見える化します。プレゼンもそうです。見える化によってプレゼンが円滑に進められるか、内容は分かりやすく、聴衆の混乱を招かないか発見する事ができます。
 
Pixarによるストーリー・ボードの例はこちら:https://www.youtube.com/watch?v=7LKPVAIcDXY

このビデオは英語ですが、右下より字幕を表示させる事が出来ます。また、ストーリー・ボードを使ってストーリー・ボードを説明しているので、英語がわからなくても理解できると思います。
 

どうやって作りますか?

さて、実際に作成するにあたりどこから始めましょうか?
最初に付箋選びをしましょう。私は正方形ではなく長方形(75mm x 100mm)が好きです。なぜなら、パソコン画面も長方形ですから。
 
前回のメルマガで構成を考えましたね。まずは、最初に考えた構成で1枚に文字や絵を書きましょう。この段階では絵心がなくても大丈夫です。だから棒人間でも大丈夫です。4冊を出版して絵の書き方や見える化を教えるDan Roamも棒人間をよく使っていますよ。ですから、絵心がないと感じている方は安心してください。絵をラフスケッチすると、あとの画像探しの時間を短縮できます。なぜなら、イメージが既にありますから。イメージを考えながら、画像を探すのは本当に大変です。
 

一枚に一つの要点

一枚に一つの要点を書いてください。私達はどうしてもたくさんの要点を一枚で纏めてしまいます。7×7ルールもあります。つまり、「最大で7項目を箇条書きにする。各箇条には最大7つの単語を書く」というルールです。でも、聴衆がそのスライドを見たらどのような行動に出るでしょうか。
私でしたら、上から下まですらすらと読んでしまいます。その間はスピーカーの話を聞いてないです。本来なら、聴衆はスライドの文字ではなくスピーカーの話に耳を傾けるべきと思います。従って、ストーリーボードでは、たとえ付箋へ綺麗に小さく文字が書けても一つの要点として下さい。
 
中には、パワーポイントのアニメーションを使って、次々要点を見せるから要点を纏めても良いと思うかもしれません。
こうすると、次の要点を話しているのに、前の要点が視覚に残っています。人間は、一般的に話に集中するより、文字を見て頭の中で考えたり感じたりしています。そのため余計な情報は見せないほうがいいでしょう。
 
あえて例外を挙げるなら、概要もしくはまとめで複数の箇条を見せる事は良いでしょう。個人的には、この場合でもあまり文字が沢山並んでいるのは好きではないです。点と点でどの様に繋がているのかを図で見せたら良いと思います。最終的に、95%は一つの要点で構成されるストーリーボードであれば問題ありません。
 

長い要点は分解しましょう

一つの要点が長くなるなら、分解すれば良いでしょう。例えば「間隔反復学習のメリット」のスライドを作ります。メリットは複数あります。メリットその1、メリットその2と分解していきます。細かい説明が必要なら、さらに分解していきましょう。一つのシンプルなアイデアが綺麗に一枚におさめるように心がけてみましょう。
 
付箋に書きたい事の全てを書きました。好きなように並べてみました。そうしましたら休憩しましょう。そのあと、もう一度見て見ましょう。変更したい所はないか確認してください。友達や知り合いに頼めるなら見てもらいます。付箋も渡してあげましょう。彼らのアイデアも便乗して、付箋に書いてみてください。必要なら整理して、完了させましょう。
 

細かいデータはレジメへ

繰り返しになりますが、沢山の文字をスライドに書かないでください。複雑な図も避けましょう。細かい根拠や参考資料や複雑な図をどうしても見せたいなら、レジメに入れてください。プレゼン資料=レジメではないです。プレゼンで見せるものは、言いたい事でづ。それは直接関連するデータとなります。本当に必要なデータ見せましょう。角度が変われば、見えるデータも変わります。重要な項目は目立つ色にしましょうね。
 

まとめ

付箋に書くときに、文字数を最低限にします。要点は一枚に一つだけにします。そして、少し時間を置いて、全体のストーリー・ボードを見渡し、並び順を最終確認しましょう。それが終わったら、本作業に入られます。
 
次回は言葉の使いかたについて話しましょう。

すごいプレゼンテーション・スライドの作り方—5ステープ、パート2

前回のメルマガで、ブレーンストーミングとプレゼンの構成をお伝えしました。しかし具体的に触れなかったため、理解を深めるためにこのメルマガで補足しますね。「スライド作りはいつの事になるだろうか」とツッコミを入れたくなるかもしれませんが、もう少しお待ちください。全てにはタイミングがあります。

私は日本語を来日してゼロから独学で勉強しました。他言語も勉強しました。たまたま数年前に言語学習について15分でワークショップを実施する機会がありました。議題は、「言語の最高な勉強法」です。聴衆は私と同年代の英語を勉強している日本人です。

スライドを作成する前の作業として、議題が広範囲と感じましたので、まずは勉強法について、連想するキーワードを列挙してみました。

読む、書く、話す、聞く、ピンズラー、間隔反復学習、エビングハウス忘却曲線、記憶、単語、画像、鮮明、フィードバック、Anki, Forvo, Rhinospike, ミシェルトマス、発音、国際音標文字、音声学、シャードウィング、使う頻度高い順の単語リスト、文法、文法上の性。。。

キーワードが出てこなくなってきたので、記憶から連想してみました。

記憶、強い感情、イライラする、恥ずかしい、態度、やる気、繋がり、場所、状況、問題、解答、文化、コミュニケーション、身振り、練習、計画、非計画、小さな一歩、慣習、失敗、会話、ゴール、学習、視覚、聴覚、体の感覚、順番、話し合い。。

これらのキーワード群の中には、「言語の最高な勉強法」からかけ離れていると感じる単語もあるかもしれません。しかし絞り出すと面白いキーワードも出てきました。私にとっては、これらのキーワードは全て「最高な勉強法」に繋がっています。

次に構成を考えてみました。

言語を教える三つのポイント

A.    導入部

1.    英会話の教科書が嫌いな理由

2.    日本語学校へ通わなくなった理由

3.    私の学習方法

B.    問題及びその回答へのフォーカス

1.    問題やイライラする事の具体化

2.    回答からイメージを作る

3.    ギャップを埋める

C.記憶の上手な活用法

1.なぜそんなに忘れっぽいのか

2.イメージの力

3.点から線、線から面

D.習慣づけ

1.先生は生徒の人生に1%も参加していない

2.小さな一歩とご褒美

3.隙間活用

F. 結論

1. 私の学習方法

2.薔薇の話

3.一つの行動を実行しましょう。

これで構成の全体感をつかむことができます。上記の構成は最終版ですが、ここに至るまでに何度も校正しました。例えば、学習スタイル、学習傾向を削除しました。学習スタイルは視覚、聴覚、感覚の点から話す事ができます。学習傾向の場合は、決まったプロセスでしか学ばない人がいます。一方、プロセスを無視して、とにかくやってみてフィードバックをもらいながら、学習する人もいます。人と話しながら、学習した事を整理する人もいます。その反対に沢山文献や本を読んで調査してから、問題に取り組んで、考えを整理する人もいます。このようにどんどん掘り下げる事ができます。

しかし、発表時間は15分しかありません。私の大きな目標は、「聴衆が実践できる勉強法をワークショップで伝える」事です。学習スタイルや学習傾向を掘り下げたら、記憶術や慣習づけの説明時間を減らす事になります。学習スタイルは確かに大事ですが、まず、主題の記憶術と習慣づけが優先であると感じました。

他の話題も削除しました。例えば、文化の違いによる対応、異文化理解と言語上達との相関性などです。これらは興味深い話題ですが、重要度は低いです。

限られた時間でバランスの良い広さと深さの発表にしなければなりません。広範囲になると、各項目に対して深く話す時間が少なくなります。表面的な話は理解が浅くなります。従って議題は三つに絞りました。実際にはもっと絞る事ができます。そうすると、もっと掘り下げて話をすることができます。それはあなた次第です。聴衆がポイントを理解してもらうために、どこまで広く、どこまで深く話せるかあなた自身の決断が必要です。

構成は何度も書いては修正しました。しかし期限があったので、最後は開き直って最終版を自分で受け入れました。別の機会に向けて更に練り上げていきます。

この例から、ブレーンストーミングと構成の作り方についてイメージが掴めたでしょうか。実はブレーンストーミングにはいろいろな方法があります。基本は、書いてみる→体を動かす→また書いてみると効果的です。原稿やスライドを作りながら考えたら、大幅な変更があった場合に時間とエネルギーを大量消費してしまいます。

次回は、ストーリー・ボードの話をします。

もしストーリーティング等について質問があれば、ここにコメントを入れて頂けば幸いです。楽しみにしています。

 

すごいプレゼンテーション・スライードの作り方の5つのステップ

あなたは1週間後にプレゼンテーションをする事になりました。タイピング・修正、適切な画像の選定の作成時間を考えると気が重くなります。良いプレゼンは本当に時間がかかります。ただ、このシンプルなプロセスを使うと、あなたの限られた時間とエネルギーを有効に使えます。その工程はこちらです!

1日目:題材のブレインストーミング

2日目:構成してみる

3日目:ストーリー・ボードを作る

4日目:スライドを作成する

5日目:練習する

皆さんの実施している方法と何が違うでしょうか?おそらく、直ぐにスライドを作成しないことでしょうか。アイデアが出たらイメージ化するためにスライドを作成してしまいます。その作業を先に実施してしまうと、様々な障害が発生します。

あ)最初のアイデアは最高のアイデアになりにくい。

い)思考が最初のアイデアに縛られる

う)考える、作るの繰り返し作業は時間を使う

え)全体図が見えなくなりやすい

お)聴衆を考えるより作業そのものに意識が集中する

その結果、平凡なプレゼンとなり、時間を無駄に消費します。

さてどうしましょうか?私のオススメは、パソコンより、鉛筆、紙、付箋を使う事です。そんな昔風な作業するの?と驚かれたでしょう。創造的仕事にこの三つの道具を使ったことはありませんか。もしないならば、作業を見直す良い機会です!

各ステップを見ていきますが、今回は最初の2日間に絞って話を進めます。残りの3日間は、次回の記事で述べたいと思います。

1日目:題材のブレインストーミング

ブレインストーミングをする前に、ターゲットとする聴衆、(誰に伝えたいですか)を設定しましょう。本記事では、この作業について詳しく述べませんが、どんなスピーチやプレゼンでも準備段階で、ターゲットとなる聴衆を決めておくと良いです。そうすると必要と不必要な情報を判断しやすくなります。題材に迷ってもターゲットがわかっていれば、選択を簡単に絞ることができます。

さあ、一つ題材を探してみて下さい。本記事をもっと理解して頂くために、過去のスピーチやプレゼンの題材でも構いません。題材が可愛い猫ミームでも構いません。題材が思いつかない場合は、目の前に見える物を3〜5個選んで紙に書いてみて下さい。

題材が決まりましたら付箋をご用意下さい。付箋がなければ、紙とテープでも構いません。付箋は大きいサイズをお勧めします。特に粘着性のあるタイプを使用して下さい。あとでアイデアを整理するときに付箋は非常に便利です。付箋には一つのアイデアを書いてください。複数のアイデアを一つの付箋に書くと、後でまとめが大変難しくなります。アイデアを付箋に書き出して下さい。書き出せましたか?どんなにバカバカしく、アホくさいと感じた事でも、思いついたことを書いてください。アイデアの種になるかもしれません。

付箋に書いたアイデアは、壁を使って整理していきましょう。壁に直接に貼るか、それとも模造紙を壁に貼って、その上に付箋を貼ってもよいでしょう。壁が嫌だったら、机でもいいでしょう。広いスペースが確保出来ることが理想です。壁を推奨するのは、体を動かす事が出来るからです。アイデアに煮詰まった時に、少し体を動かすとアイデアが出やすくなります。バカバカしいと思うかもしれませんが効果があります。

壁に貼った付箋を俯瞰した後で、さらに10個のアイデアを付箋に書いてみてください。1日目はここでおしまいです。

2日目:構成してみる

プレゼンの構成を考えてみましょう。目的や聴衆次第で構成が決まります。楽しませるスピーチと情報を伝えるスピーチの構成は全く異なります。ここでは、情報を伝える場合に効果的な二つの構成をご紹介します。

基本形

  • 導入部:
  •   サポートポイントA
  •       サポートポイントB
  •      サポートポイントC
  • サプ・トピック1
  •   サポートポイントA
  •      サポートポイントB
  •     サポートポイントC
  • サプ・トピック2
  •   サポートポイントA
  •       サポートポイントB
  •      サポートポイントC
  • サプ・トピック3
  •   サポートポイントA
  •       サポートポイントB
  •      サポートポイントC
  • 結論
  •   サポートポイントA
  •      サポートポイントB
  •     サポートポイントC

 

次に少し高度なフレームワークをご紹介します。 

  • 何を?:(全体のフレーム)
  • なせ?
  • ストーリーA開始
    •  ストーリーB開始
      • ストーリーC開始
        • 何を?
        • どうやって
        • もしも(任意)
      • ストーリーC完了
    • ストーリーB完了
  • ストーリーA完了

構成は、TPOに応じて、同じ構成でもプラス面やマイナス面があります。ご自身で何パターンか用意してみてください。

次に、順に項目を埋めていきます。しかし順に全てを埋めなくてもよいです。埋め易い所から始めても構いません。適度に埋めたら小休憩しましょう。

YouTubeを見たり、Facebookを見たりしてもOKです。とにかく、気分を転換してみましょう。そしてもう一度構成を見直して下さい。変えたいところや改善するところはあるでしょうか?あれば、修正してください。

今日はここまでとします。次回はストーリー・ボードの話から始めます。

もしストーリーティング等について質問があれば、ここにコメントを入れて頂けば幸いです。楽しみにしています。

 

 

花粉症がプレゼンに役に立つ理由

花粉シーズン到来ですね。花粉症の方はプレゼンする時は最悪でしょうね。止まらない鼻水、死にそうになる咳の連発、燃えるようなかゆい目。本当にたまらないです。痛みだけではなく、経済面でも攻撃してきます。山ほどのマスクやティッシュ(しかも少し高級なティッシュ)や薬をガンガン買います。ポケットには沢山のティッシュが詰め込まれていて少し格好わるいでしょうね。良い事なんて一つもないと思われていることでしょう。

私もそう思いました。記憶する限り、なんだかんだのアレルギーに悩まされてきました。子供の時に、猫の毛、ブタクサの花粉、杉の花粉アレルギー反応がありました。来日して2年だけ、アレルギーの小休憩がありました。でも今は花粉に悩まされています。結局、花粉症に怒りを感じるか、諦めるか、それともなにかしらの良い面を探すか選択は三つありますが、ここでは良い面を紹介したいと思います。

花粉症でラポールがすぐ作れる!

プレゼン・スピーカーは、ラポール(聴衆との関係構築)をつくる事が大事ですが簡単ではありません。しかし、花粉症の方に朗報があります。聴衆から共感とラポールを得られるシンプルな方法があります。日本では4人に1人が花粉症と言われます。従って私は花粉症ですというと、聴衆の4分の1はすぐ同情して、仲間意識が芽生えます。残りの4分の3の方は、友達や配偶者などが花粉症なので、その方が花粉症でなくても共感は得られるでしょう。

冒頭で次の様に話す事ができます。

「皆さん、こんばんは、今日のプレゼン途中で、多少咳やくしゃみがでるかもしれません。花粉症ですから、ご了承ください。」

人によっては、咳やくしゃみは雑音と感じます。しかし先手を打って謝っておけば、聴衆は許容してくれます。そして、プレゼンに邪魔しない程度に症状を抑えておくと、聴衆に不快感を与えません。

人間味に溢れる姿

さらに、人間味のある一面を見せることができます。よくありがちなのは、「プロ」のプレゼンターとして弱みを見せないように努力する事です。弱みを見せるとイメージダウンに繋がると考えるため、プレゼン中の咳やくしゃみは「プロ」としてあるまじき行為でないと躍起になって封印します。

本当の「プロ」は事前準備が周到です。必要な薬を飲んで、病状が全く出ないようにします。でも正直なところ、それはきっと疲れるでしょうね。

もしあなたが完璧な専門家に出会ったら、この人はすごい!と思うでしょう。一方で、助言を貰う際に不安を覚えるかもしれません。なぜなら、「完璧なあなたなら直ぐに出来るかもしれないけれども、完璧ではない私には、助言通り本当にできるかな。この人は私の事を理解しているかな。」からです。完璧すぎて、距離ができてしまいます。一方、専門分野とは別の弱みを見せると、「専門家の◯◯さんは、私のXXみたいなところもあるんだ」と感じます。専門分野と関係ない(つまり、致命ではない)弱みを持ったら、親しみやすくなりラポールが作りやすいです。ただし花粉症がプレゼンに邪魔にならない程度に病状を管理しましょうね。

花粉症ネタも使える!

ラポールができて、人間味のある一面を見せた次に何があるでしょうか。次は花粉症ネタです。ネタはたくさんあります。ティッシュがなくなって困った話、本当に効く薬に辿り着いた話、マスクして、メガネが曇って、人を間違えてしまった話などなどです。このようネタを使うと、同じ体験を持っている人との関係がもっと深くなります。

ただ、皆さんの中にはプレゼンの話題と花粉症とを結び付けにくいと思う人もいるでしょう。そんなに難しい事ではありません。この記事を読む前までは、花粉症でラポールを作れるとは思わなかったでしょう。意外に探せば花粉症との関係性が見つかるものです。まず、話したい内容の本質と花粉症エピソードとの共有点を探しましょう。

例えば:

  • デザインの重要性:ひどい設計したティッシュ箱と苦戦
  • 値段と価値:安価→鼻の痛み、高級→鼻の癒し
  • 回復力:花粉症と戦うと、自制心を強くする
  • 機能とデザイン:花粉を弾くマスク尚且つ、面白い柄で気分が爽快

などなど

他にもありますよ。少し時間をかけて、ブレーンストーミングしたら、花粉症との関係性を作る事が出来ます。

このラポール編は氷山の一角です。花粉症を通してスピーカーとしての健康管理をより意識し、スピーカーとしての集中力や計画性などもより注意を払うようになります。

実は重要なのは「花粉症」そのものではないのです。自分の「弱み」が相手からどう取られるかです。よく考えてみると、「弱み」から学びが山ほどあります。そして、その「弱み」からの学びによりもっと良いスピーカーになれます。弱みを受領するので痛みの判る良い人になれます。従って、強みをばかりに焦点を与えるのではなく、弱みとも向き合ってください。意外とその「弱み」は本当に役に立つかもしれません。

最後に花粉症に悩まされている皆さん、この季節を戦っていきましょう。まだまだ数週間は続きますけどね。

感想・質問などをmatthew[@]matthewownby.comに送ってくださいね。喜んで返信します。では!

 

脳がストーリーを欲しがる理由

「説明よりもストーリーが必要なんだ。」という助言を何度も聞いた事はありませんか。私自身も何度もそのような助言をしました。では、なぜ「ストーリー」は「説明する」より受け入られるのでしょうか?下記の例を見ましょう。

論理的シンプルな説明

ある病院のHPを改善するために、ウェブデザイナーが現状の問題点として以下のスライドを作成しました。

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当サイトに対するクレームTOP3

  • 検索機能が何処にあるかわからない 20%
  • 病内案内図はない         17%
  • アクセス画面で地図が表示されない 13%

神奈川県立こども総合病院の調査による(150名)

-----------------------------------------------------------------------

そのあと、彼は問題となっている画面を見せながら、具体的に説明していきます。その後で改善提案したHPのデザインを見せて説明します。

上記の説明は、シンプルで理論的、ポイントも押さえていますね。しかし、少し物足りない気がします。では、次の例はどうでしょうか。

有馬家の物語

有馬さんの娘が突然倒れました。熱があり、呼吸も苦しそうにしています。両親が近くの病院に連れて行きました。町医者は彼女を診て、ここでは対応できないと判断し、神奈川県立こども総合病院へ直ぐに行って欲しいと言われます。総合病院は、ここから50キロ離れています。

救急車が直ぐに調達できず、車で総合病院へ行くことにしました。親は込み上げる様々な感情を振り払い、とにかく総合病院を目指しました。運転途中に母は気付きました。大凡の場所わかりますが、車でどこから入ればよいかわかりません。車を一旦停止してスマートフォンでアクセス場所を確認しました。表示された画面は、文字が小さく灰色で見づらく母親はイライラしました。スマートフォンでは、デスクトップ用のページしか表されませんでした。

リンクを必死に読みましたが、焦っていることもあり、アクセス場所に関する情報へなかなかたどり着けません。住所も表示されないので、google mapでも検索でききません。一番右下に病院の電話番号が記載されていましたが、気づくことが出来ませんでした。母親がいち早くその電話番号に気づいて電話をかければ、場所と駐車場への入り方は直ぐにわかったでしょう。母親はイライラして車を発進させました。

このようにHPのデザインミスで有馬さんを含め100人以上の家族がもどかしい思いをしました。必要な情報が直ぐに見つけられないのです。私は150人の来院者の話を聞き、不満を持っている事がわかりました。有馬さんたちの声を厳正に受け止め、このサイトを早急に変更しなければなりません。

ザ・チョイス

シンプルで論理的なスライドによる説明とストーリーにより現状を伝える方法では、どちらがHP改善の必要性を感じましたでしょうか。

おそらく、ストーリーによる伝え方を選ばれる方が多いと思います。でも、なぜ皆さんはその選択をされるのでしょうか。答えは脳にあります。

単なる数字、統計、文字のスライドの場合、ブローカ野で処理されるだけです。ブローカ野は言語を処理する場所です。

一方、ストーリーがあると、それ以外の脳も反応します。つまり、視覚系・聴覚系・感覚系脳が加わると、それを担当している脳の部分が対応します。人物の感情の詳細なら、感情に対応する脳の部分も参加します。情報を客観的にみるだけではなく、体験を想像して、そのキャラクターの感情も味わうのです。

脳とストーリー

とは言ってもなぜ脳がそんなに反応するのでしょうか。ブローカ野でちゃちゃと処理してくれば合理的でしょう。

私達が生き残るために脳はあります。例えば、あなたが剣歯虎(けんしこ:ネコ科に属する食肉獣)に遭遇したら脳がすぐ危険を察知し体を動かせます。しかし、人間は他の動物と比べて本能が鈍いので、世の中を観察して人間の因果関係を学びます。AはBを引き起こす。Xをやるなら、Yが起こります。それを自分の体験から学びます。しかし、それだけで十分でしょうか?幼少時に先生や本から多くを学びました。これは自分で体験せずに知識を注入されているのですが、十分に勉強になりました。

我々の脳は非常に怠けものです。他人のストーリーを聞くと物事を学び、時間、エネルギーを削減できるし、リスクも押さえられます。記憶を作るにはエネルギーも必要なので、不必要なものは脳があまり覚えたくないのです。ブローカ野だけで処理して記憶すると、たくさんの「ゴミデータ」を覚えてしまいます。

ご自身でも振り返ってみてください。聞いた言葉、見た単語、考えた言葉の中でどれだけが記憶に残るでしょうか?多分、ごくごく一部でしょう。

記憶に残すためには、脳に重要であるシグナルを出す必要があるため五感や感情を使うと効果的なのです。ストーリーがそれを綺麗にパッケージしてくれます。

聴衆をあなたの世界に誘導し、主張したいポイントを覚え、聴衆が納得するにはストーリーが必要なのです。適当なストーリーではなく、聴衆の状況と関連性のあるストーリーで、行動を起こさせるストーリーや聴衆と共感できるストーリーが必要なのです。ですから、プレゼンのときにストーリーを語りましょう!

もしストーリーティング等について質問があれば、matthew@matthewownby.comに一通のメール送ってください。楽しみにしています。

「明快はずなのに・・」と思う人が伝わらない理由

プレゼンテーションやストーリーティングや鼻歌でも私たちは知らないうちに呪いをかけられていることがあります。この呪いは「知識の呪い」です。この「知識の呪い」のせいで、優れた聴衆は、賢いスピーカーがまるで宇宙人が話しているように聞こえるのです。

なんの鼻歌なのかが分からない

鼻歌を例に挙げましょう。鼻歌は非常にシンプルです。誰でも鼻歌ができます。例えば、私が好きなJ-popを鼻歌で熱演します。しかし奥さんの正解率は50%未満です。自分が間違っていないかどうか録音して確認しますが、メロディーは間違っていません。実は鼻声の時に私しか聞こえない心の中にいるオーケストラも演奏しています。彼女は勿論それが聞こえないので、私から見ると明快な鼻歌は彼女にとって謎そのものです。しかもポップ曲なら、4コードで構成される曲が多いため、余計に彼女を混乱させます。逆に当たるのは凄いことです。

上記の例は、プレゼンとどのような関係があるでしょうか。説明する時や経験を語る時に自分しか知らないことを無意識に想定してしまう傾向があります。鼻歌の場合では、聴衆は私の心の中にあるオーケストラが聞こえると思い込んでしまうことです。そして「呪い」の厄介なところは、プレゼンする人はそのようなことを想定することすら気づいていないのです。終わったら、「あれ、明快はずなのになんでわかってくれなかったの?」とびっくりする結末に遭遇してしまいます。私たちが考える「自然」・「シンプル」なことは、別の人から見ると全く違う内容になります。

「知識の呪い」の2面性

「知識の呪い」の問題は大きく二つに分けられます。一つ目はスピーカーの「常識」と、聴衆の「常識」とが噛み合ってない場合です。スピーカーはその常識を意識していますが、「皆さんはXと思っている」と思い込んでしまいます。残念ながら、全員は「X」と思ってないです。「Y」と思っている人もいます。二つ目はあるスキルや分野の専門性が増し、聴衆が何をわからないのかがわからない状態に落ちいります。さらに、別の聴衆は違う知識を持っていて、ギャップが生じます。1と2は似ているものと思いますが、もっとく詳しく理解するため次の例で考えてみましょう。

あなたの「常識」は彼の「非常識」

例1:物を同じ場所に必ず置く習慣付けの重要性について

通帳を忘れて取りに戻る時間がもったいないという話をするとします。但し、聴衆がアメリカ人のみであれば、「通帳」そのものはアメリカ人に通じません。なぜなら、アメリカでは通帳は存在しないのです。見た目がわからない、使い方もわからない。なぜ取りに戻らないといけないのかも分からないのです。

「空気」と同じぐらいよくあるものでも、人によっては全く異なります。リスはアメリカ人にとってどこでも見られるものですが、日本人はおそらく動物園でしか見たことがないかもしれません。

天才か?2流か?どちらから習う?

例2:ピアノの先生を選ぶことができたら天才のモーツァルトか、2流のサリエリどちらにしますか?

モーツァルトを選択されたでしょうか? そうなら、当然の選択です。誰でも最高の人から習いたいものです。

残念ながら、天才は「上手に弾ける」事を意識しないのです。それを意識しなければ、生徒に教えるのは厳しいでしょう。一方、サリエリはウィーンで有名なピアニストではありませんが、「上手に弾く」事を意識できますし、生徒と同じ目線で音を聴くことができるし、生徒の考えを耳で聞く事もできます。彼は生徒と同じ立場に立つことができ、実力は生徒とそんなにかけ離れてないのです。

これは、学習の4段階にヒントがあります。

学習の4段階

学習の4段階とは、

  1. 無意識の有能
  2. 有意識の有能
  3. 有意識の無能
  4. 無意識の無能        です。

モーツァルトは1です。サリエリは2です。生徒はほとんど3です。これは単純に○か×で評価できません。スキルの一部は2でもあり、残りは 1でもあり得ます。

例えば、車の運転なら、全ての手の動きや判断に意識をしているでしょうか?多分そうではないと思います。単純に行きたいところに行っていると思います。それでは、富士スピードウェイで運転ができますか?相当集中すればできるかもしれません。あなたとレース選手との大きな差は、運転スキルだけではないのです。大きな差は、そのスキルが自動化や無意識化されているかです。

日本の職人さんが技術を弟子に教えられない理由の根本もここにあると考えます。職人はスキルを習得し、無意識に使っています。どうやってCからBになるか考えることは難しく、背中をみて習うスタイルにたどり着きました。弟子はとにかく、職人を観察し、分析し、盗み学んだ結果を試す事になります。

自分自身は職人や天才とは思いませんが、自分の人生の専門家であります。聴衆はあなたが訪ねた全てのところに行ってないです。あなたが経験した全ての経験をしてないです。同じような人生経験もしていないです。だから、聴衆があなたを理解しない事は当然です。

「知識の呪い」を意識したとしても、意識し過ぎに注意が必要です。つまり、「This is a pen」という簡単すぎるレベルにしたら、上から目線に聞こえてしまいます。中学1年生レベルの内容を取り上げると聴衆が嫌がり、聞きたくなくなります。聴衆の知識レベルにあわせましょう。高すぎない、低すぎない程度に。

代理を探そう!

そういわれてもいったいそれはどうやればよいの?と思うでしょう。さまざまな方法がありますが、スペースの関係上、今回はひとつに絞ります。

一番簡単な方法は聴衆の代理を探すことです。医者の前でプレゼンをするなら、医者もしくは似たような仕事している人を捕まえてその人の前でプレゼンをします。その人からフィードバックをもらいます。身振り・手振りなどの話術についてフィードバックはこの段階では、要求しなくても大丈夫です。聞きたい内容は以下のような感じです。

  • 知らない単語がありましたか?それはどんな単語ですか?
  • 想像しにくいところはどんなところでしたか?
  • どこかに情報が足りないと感じましたか?どんな情報がほしいですか?
  • 聞いたときに、どんな質問が出てきましたか?
  • 自分の経験に沿わない部分はどんな部分ですか? などです。

もし、フィードバックをもらうなら、事前に相手へ質問を知らせましょう。なぜならば、その瞬間の思いや感情を忘れてしまう可能性がありますから。

フィードバックをもらったあとに、単純に足らない情報を足すだけの作業は控えましょう。そうしないと、スピーチ自体が長くなり、複雑になります。聴衆の集中力がなくなります。聴衆が最低限わかる情報量にしておきましょう。上記を数回を繰り返して、良いバランスが取れるまでやってもよいかもしれません。

まとめ

鼻歌だろうがスピーチだろうが、「知識の呪い」はいつも近くにいます。ただ、「呪い」は必要ではありません。この「呪い」と戦ううちに他人ともっと共感が得られるようになり、理解されるようになります。あなたのスピーチや文章もさらに明快になります。もしかすると、池上彰氏のように解説できる人になるかもしれません。

何か質問や感想があれば、是非、(matthew@matthewownby.com) に1通のメールをください。喜んで読みます。ではまた!

先延ばしの3グッド・シングズ

スピーチ原稿作成を先延ばしにしたことはありませんか?或いはプレゼン資料作成やスピーチの練習もついつい先延ばしにしませんか?私はそんな人たちをたくさん知っています。私ももちろんその仲間の一人です。私の場合、スピーチコンテストの前日になってもスピーチ原稿を書かず、徹夜で何とか原稿を書き終え、コンテスト当日の午前中に練習して、ギリギリ入賞しました。でも後味が悪い。

徹夜で原稿?「最悪」でしょう?もっと早くから準備ができなかったの?原稿作成はそんなに難しいの?

あなたもこの様に自問して自分をせめていませんか。私達は先延ばしを本当に最低な事と捉えます。「アートの戦争」を書いたSteven Pressfiel氏によると、先延ばしは「地球上最大の毒である」だそうです。TEDに出たTim Urban氏によると、先延ばしの要因は自身の中に「即座に満足感を得たい猿」が存在しているからです。その猿はスピーチを書くより1万の面白いYouTubeスピーチを見たがっています。Washington Post(新聞紙)では先延ばしのおかけで「ストレスが高まり、病気が増える。実績も下がる」と記述がありました。先延ばしは「諸悪の根源」だそうです。


ただ、私はそう思っていません。先延ばしは隠したい弱みでもない、あなたの世界を破壊する力でもない、人格的な欠点でもないのです。実は先延ばしには良い事もあります。視点を変えれば三つの良い点があります。

その三つは何だと思いますか?

1.       先延ばしは、筋が通った理由がある
2.       先延ばしは、向上心があるしるし
3.       先延ばしは、優先順位をつけやすい
 

筋が通る理由がある


先延ばしは感情的で理不尽というイメージを持ちますが、そうするのには筋が通る理由があるのです。

最近、私が先延ばしした事は、

  • 運動する
  • コンテンツやスピーチの原稿を書く
  • ホームページの文章を修正する
  • 出版企画書作成を終わらせる

例えば、「運動する」は三日ほどサボりました。運動は、ゴリラ・ワークアウトというアプリを使って筋トレをしています。アプリはどんな運動をするのか教えてくれます。動作が分からなかったら、ビデオで確認することが出来ます。有難い事に毎日同じ時間にリマインダーで運動をしなさいと知らせてくれます。

でもサボっていました。なぜでしょうか?単純にめんどくさいと感じました。そのめんどくさいが何を教えてくれるか?運動の目的が中途半端であることです。幸いにして、体重が47キロ以外、体は健康です。健康に関する不安は一切ありません。

運動する利点はどこにあるでしょう?奥さんをお姫様抱っこするためでしょうか。自分を納得しない限り、行動に移しにくいです。その為にまずは自分を説得させます。そうしないと先延ばしは永遠に続きます。

スピーチ原稿作成の例を考えてみましょう。考えるだけで、疲れる事があります。この作業は大きい、重たい、変な無形な塊と感じるときがあります。そして、あいまいな締め切りを設定するとパニックとなります。スピーチ原稿作成には、以下の工程があります。

①テーマを選ぶ、
②リサーチする、
③概要を書く、
④詳細を書く、
⑤編集する、
⑦発表する。

作業を細かくして、時間も十分に取ると取りかかりやすくなります。ただ、計画しなければ、体や脳は「時間やエネルギーがないよ!」と言わんばかり手が動きません。

上記の様に、目的が正しく設定されていない、無計画である場合に先延ばししますね。先に進めるために、必ず「なぜ」先延ばしているのか自分に聞いてあげてください。
 

向上心があるしるし


先延ばししていることは「難しい」と感じることが多いですね。責任感がなかったら、中途半端なやり方でやれば終わらせるでしょう。ただ、皆様は責任感があります。うまくやりたいです。でも圧倒されて、自信を喪失します。現状と成長の先に必ずギャップがあります。そのギャップに不安を感じるのは当然です。ただ、一方で成長したくないなら、そのギャップを超える事なく、のんきに暮らせばよいのです。だから、先延ばしするということは、向上心があるというしるしなのです。

そして、どんなに技術があっても、どんなお金があっても、どんなにえらくなっても先延ばししたくなる時は必ずやってきます。なぜならば、その時を乗り越えるため、現状の自分を超えないといけないのです。自信がなくて当然です。この試練はもっと素晴らしい人になる工程の一つです。

優先順位がつけやすい


上記を踏まえて先延ばしを意識すると、優先順位がつけやすいです。なぜなら、自分に大きな成長につながる事ですから。今、先延ばししていることを書いてみてください。そして、どれが大きなインパクトがあるか考えてみてください。緊急性が高いものはどれですか?おそらく、かなり長く先延ばししているものは自分にとって一番実のあるものかもしれません。とにかく、三つを選んでください。いかがでしょうか?何か傾向を見えますか?ちょっと大変と感じるかもしれませんが、先延ばししていることの全部を考えなくても大丈夫です。順番に対応していきましょう。

そして選んだ三つから、どんな行動が必要なのか軽くブレイン・ストーミングしてみましょう。その書きだした行動は全部実施しなくても大丈夫。どれか一つやってみましょう。そして、そのアクションは自分ではなく誰かに委任しても大丈夫です。委任って放任ではないです。委任はリーダーシップの練習する機会です。とにかく、やるかやらないかあなた次第です。

まとめ


先延ばしは、「諸悪の根底」ではありません。先延ばしにはちゃんと理由があります。あなた自身が向上したい証です。もし、あなたが先延ばししたいという気持ちを察知したら、優先順位の作成時期と思ってください。先延ばしの気持ちをよく活用するならば、あなたの良い味方になります。先延ばしのおかげでもっと大きな舞台に立つかもしれません。

何か質問や感想があれば、是非、(matthew@matthewownby.com) に1通のメールをください。喜んで読みます。ではまた!

質疑応答での難問をどうやって答えるか?

「しまった!」「どうしよう。どの様に回答したらよいかわからない。」質疑応答でこの様な経験した事はありませんか。私は会社の新人研修で何回も遭遇しました。研修内容を詳細に調査し、想定質問集を作成して臨みました。この方法は信頼性に裏打ちされ、嘘をつく事もありません。ただ、別の問題が発生しました。
 
それは、時間切れです。質疑応答時間を十分に設定しても時間が足らないのです。これは、時間管理が問題ではありません。質疑応答の対応に問題がありました。今日は、この問題を解決する仕分けフレームワークについてご紹介したいと思います。
 
まず、問題を設定しましょう。あなたは「パワーポイントデザイン」についてプレゼンをします。質疑応答時に下記の質問がありました。どう答えますか?

  • 一番良いフォントはどれですか?
  • パワーポイント2013版のスポイトツールはどうやって使いますか?
  • キーノートのデフォルト・フォント・ファミリーはどうやって変更できますか?

答えを考えてください。うそは書かないで今ある知識で正直に答えてください。 

質問に対する回答の導出には3つのステップがあります。

  1. 質問を別の言葉に置き換える
  2. 質問を仕分けする
  3. 回答の満足度を確認する

今回は、「仕分け」に焦点を絞ります。
 
質問は三つに分類することができます。

  1. 対象範囲内として回答ができる
  2. 対象範囲内だが回答ができない
  3. 全く以って対象範囲外 

 

対象範囲内と対象範囲外の質問


 「対象範囲内」の質問とは、どういうことでしょうか?
 
対象範囲内の質問はプレゼン内容と直接関係のある事柄です。つまり、スライドに記載した内容、配ったレジュメの内容と話した内容です。それ以外は対象範囲外です。例えば、パワー・ポイントの効果的なスライドデザインについてプレゼンしたとします。マイクロソフトのパワーパワイトの質問なら、対象範囲内と言えるかもしれません。ただ、アップルのキーノートについて質問は間違いなく対象範囲外ですね。
 
あるいは、「数枚のスライドを投影している間、どうやって音楽を流すか」という質問なら、対象範囲内でもあり対象範囲外とも言えるかもしれません。プレゼンに触れたら対象範囲内です。触れないなら対象範囲外です。
 
対象範囲外の質問が来たらあんたはどのように対応しますか?
 
例えば、あなたは「素晴らしいパワーポイントスライドの作り方について」のセミナーを開催しました。しかし、マックやキーノートを使った事はありません。これから使おうとも思っていません。キーノートの話に興味がありますか?恐らくないでしょう。

上記の質問に直球で返すと以下の回答になると思います。

 「良い質問ですが、今日はパワーポイントについて話していますので、本内容に関係のない質問には回答致しません。」

会場はどうなるでしょう?質問者は怒るでしょうね。もし怒らなくてもあとで苦情が来ること間違いありません。

次の回答は如何でしょうか。

「質問ありがとうございます。キーノートのフォント・ファミリーの方法ですね。本日のプレゼンでは触れていない内容ですので、セッション終了後に話しましょう。他に興味がある方もぜひ会場に残って下さい。」
 
こうやって回答を延期します。また、あなたは質問者の質問に関心を持っている事を聴衆に伝える事ができます。他の聴衆が興味ない質問を制限する事で、聴衆の時間をよく考えていると聴衆に思わせる事ができます。もし回答がわからないなら、調査する時間を稼ぐ事ができます。
 
この様に、対象範囲外の質問は延期します。これは回答が分かっていても延期して下さい。
よくやってしまうのは、対象範囲外の質問を答えしてしまう事です。そのために、質疑応答時間が長引いて、他セッションに影響に与え、なおかつ聴衆を退屈させてしまいます。聴衆と良い関係を構築する為には、対象範囲外の質問は即答せず、機会を作って回答する様にしましょう。

ところで、対象範囲外の質問する人はいわゆる「知ったかぶり屋」の場合があります。この様な人は自分の知識がすごい事を聴衆の前で知らしめたいので、講師を試したがります。講師がうまく対応すれば、大人しくなります。そして、セミナー終了後に講師の所にやってきて回答を要求しないケースが多いです。

 

対象範囲内の質問


 対象範囲内の質問でも答えられる質問と答えられない質問があります。問題は、回答できない場合です。その場合は、どの様に対応しますでしょうか。
 
例えば、「パワー・ポイント2013版のスポイト・ツールはどうやって使うか?」という質問がありました。
本当に知らない場合は、馬鹿正直に「わかりません。」と言うのはやめましょう。聴衆は1度目は許してくれるかもしれませんが2度目は許してくれません。使わざるを得ないときは慎重に使いましょう。
 
次の言い方はいかがでしょうか。
「スポイト・ツールについては、いろいろ考えがあります。パワー・ポイント2013年版ですよね。最後に質疑応答時間を設けていますので、その時に話しましょう。興味のある方は待っててくださいね。」「いろいろ考えがある」と言うのは嘘ではないです。すでにいろいろを考えていると思います。たとえば、「スポイト・ツールは本当に存在するの?」とか
「そのツールはどのタグを開けばよいのだろうか?」とか。スマホがあれば、直ぐにGoogle先生が教えてくれます。
 
ピンポイントの質問は、回答し難いです。素人と思われない様に予防線を引きましょう。つまり、プレゼンの冒頭でプレゼン内容の範囲を明確にするのです。そして、万が一、忘れてしまっても直ぐに対応できる様にノートを用意しておきましょう。最後に、上記のような回答を用意し、ピンチの時は回答を延期しましょう。
 
まだ話してない内容に対する質問がきたら
 
対象範囲内の質問でも、まだ話してない内容の質問を受けた場合はどうでしょうか。

複数のセッションや長いプレゼン、研修を行った場合、参加者がまだ話してない内容について質問を投げる可能性があります。
例えば、「パワー・ポイント2013版のスポイト・ツールはどうやって使うか?」と質問が投げられたとします。どの様に回答しますか。
 
「あとで回答します。」は避けたほうがいいと思います。「スポイト・ツールを詳しく知りたいですよね。良い質問です。休憩後にパワー・ポイントの特別ツールについて詳しく説明しますので、少しお待ちください。」いつ回答するのかが明確になっていれば、聴衆に安心感を与えます。

 

まとめ

質疑応答を設ける場合、前を持って対策を考えましょう。プレゼンの対象範囲内と対象範囲外を明確にしましょう。そしてプレゼンの冒頭で言及しましょう。質疑応答の方法も明確にしておきましょう。こうすることによって答えられない質問がぐっと減ります。テーマとかけ離れた質問が少なくなり、聴衆の期待感を維持しながら、聴衆の満足度も得られます。もし◯◯さんが回答が分からなかったら、「色々なやり方がある」などと濁した表現を使い、あとで回答すると約束しましょう。その時に回答期限も明確にしましょう。
 
特に質問が分からない時に非言語レベルで(無意識に後ろに一歩下がったりする)バレる事も少なくないので、しっかり練習しましょう。
 
何か質問や感想があれば、是非、(matthew@matthewownby.com) に1通のメールをください。喜んで読みます。ではまた!