AIと喪失

「以前のメルマガの続きではない?」と見出しで思われたかもしれません。その通りです。今回は「すごいパワーポイントスライド」の作り方」を延期します。AIに関する話です。愛(AI)の話ではありません。

 私のお気に入りブログ「Stratechery」の記事にある「狭いAI (人工知能)が職場に大きな影響を与える」を取り上げたいと思います。人によっては、行動に移さないと雇用問題に発展していく可能性があります。これはプレゼンとも関係があるので、最後に言及します。

「広い」と「狭い」AI

AIと言ったら何を思い浮かべるでしょう?スタートレック・エンタープライズの人工知能でしょうか?それとも、マトリックスやターミネータからのスカイ・ネットでしょうか?どちらも「広い」AIです。つまり、知識が幅広く、どんな話題や問題などでも対応できます。テスラモーターズやSpaceXの創業者であるイーロン・マスク氏は、「広い」AIが実現されることについて恐れています。だた、良くても悪いくもそういう「広い」AIはまだまだ発展途上にありこれからです。

一方で、「狭い」AIは既に存在しています。「狭い」AIは「広い」AIと違って、ひとつの仕事しかできません。Google Deepmindによって開発されたコンピュータ囲碁プログラムのAlphaGoは、韓国のプロ囲碁棋士李世乭に勝ちました。ただ、AlphaGoは囲碁しかできません。たとえ範囲が狭くても、かなりの実力を持っています。このようなAIは、グーグル社、テスラモーターズ社、ウーバー社などが開発し、車に搭載しようとしています。

さらに富国生命保険は、人工知能を活用した業務効率化により、34名の人員削減をしました。このような技術は定型業務であるため、保険、法律、会計、医療など関係のホワイトカラーの仕事にも波及します。野村総合研究所の報告によると、日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能であるとのこと。ということはあなたの仕事もしくは知人の仕事はこの10年以内に確実にAIに奪われます。

49%

上記の49%の中には、レジ仕事も含まれます。Amazon は、Amazon Goによるセルフレジの営業を開始しました。課題はありますが、Walmart、英国のSainbury`sで試験的に導入され、ローソンも10店舗で使用しています。課題が解決され、運用性が高まればレジ仕事が日本から消える可能性が高いです。

自動運転の普及を考えると、タクシー、運送トラック、自動車業界は打撃を受けます。消費者は車を買うより自動運転の車を借りるようになり、トヨタ、日産、ホンダ、マツダなどの工場従業員やこれらの企業の下請け会社も大きな影響を受けます。

自動車業界に限らず、製造業の雇用もどんどん減っていきます。トランプ政権のように、政治家は国内の製造業の雇用削減を企業に責任転嫁していますが、その製造業でも自動化は進んでいます。鴻海精密工業(iPhone等の製造者)は工場の自動化によって6万人を解雇しました。

高収入もリスクがある

高収入の仕事も安全ではないです。AIに置き換わる可能性の高い仕事として、銀行員、投資ファンドマネージャ、保険業者、保険査定員、パラリーガル、医療技術者、俳優の一部(ローグ・ワンという映画に出たグランド・モフ・ターキンの再現)などがあります。

富国生命保険は、日本IBMのAIワトソンを使う代わりに、34人の人員を削減しました。毎日新聞の記事によると、AIワトソンへの先行投資は1年半で元が取れます。その後は、毎年約1.25億円を節約する事ができます。無視できない数字です。

日本のシンプレクス株式会社では一つのファンドをAIのみで運用しています。このファンドは5,600億円(560 billion yen)を扱っています。今年で額が倍になる事を見込んでいます。さらに、大手ヘッジファンドのBridgewater Associatesは、AI開発も手掛けています。AIを用いると無料で運用できるならば、会社は高収入投資ファンドマネージャの給料を支払うでしょうか。

ということは、たとえ難しく、どんな複雑な仕事でも、データ分析の仕事はAIに奪われます。運転者やレジ係と違って、投資ファンドマネージャ、保険業者、医療技術者の仕事は、わりと簡単にAIへ置き換えられます。特別な機械・装置は必要ではありません。

品質の良いソフトウェアがあれば十分です。つまり、先行投資して運転者などをAIに置き換える事は容易くて、尚且つ人件費を考えると、投資ファンドマネジャなどをAIに置き換えるのは間違いなくお得です。

AIの開発と導入、普及は益々加速する恐れがあります。上記に述べた仕事がほとんどなくなるのは時間の問題です。その仕事は電話交換手、計算人(ところで、「Hidden Figures」という映画は1950年代、NASAで働いて、計算をする仕事について面白く描写します)のようになくなり、「その仕事は何だっけ?」という存在になり得ます。しかし、問題はその仕事がなくなるではなく、そのなくなるスピードです。なくなる前に要するスキルを手に入れないとその先が難しくなります。

ですから、私達はもっと早く学習でき、もっと深く学習でき、なおかつ、想像力の学習が重要になってきます。 そして、いわゆる人間スキル・コミュニケーションスキルを身につけることがさらに必要です。プレゼン・スキルもその一つです。良いプレゼンは情報を提供することだけではないんです。グーグル先生はそれぐらい簡単にできます。良いプレゼンはスライド作成でもないです。自動的に資料を作ってくれるソフトも存在しています。人間は新たな発想ができます。人間は気持ちを変える事ができます。人間は行動を起こさせます。脳・こころ・手は我々の最高の財産です。そして、「狭い」AIに置き換えられないように、私達が持っている財産を最大限使う必要があります。

交差点に立つ

まず、目の前にある仕事についてよく考えてください。定型業務はどれほどありますでしょうか?「狭い」AIがさらに普及したら、あなたの会社はどんな影響を受けますか?あなたが所属している業界はどうなりますか?自動車業界のようにこれから衰退してきますか?全体からみるとどうなるでしょうか?

そして、今の仕事が仮になくなったら、これからやりたい仕事は何でしょうか?どんなハードやソフト・スキルが必要でしょうか?それをどうやって習得しますか?これからの時代をどうやって成功したいでしょうか?

ここまで自分の仕事を考えている人は結構少ないです。AIと共存できる仕事を模索し、今から行動に移せば、はるか先に進む事になるでしょう。ご感想を聞きたいので、是非を教えてください。今後のブログのため、仕事の・スキル取得・プレゼンの不安などがあれば、遠慮なくお聴かせてください。では!