プレゼンテーションをするためにスキルの他には何が必要でしょうか?

日本で5番目に高い槍ヶ岳を登るとしましょう。頂上へのアプローチは次のようになります↓

鎖場や梯子を使う場所がかなりあります。登山口から頂上まで直線距離で約22キロ以上あります。

あなたは、10年以上の登山経験があるとします。その技術的スキルだけで、登頂できるでしょうか?

違う例で見てみましょう。300人以上の前でプレゼンテーションをするとします。講演時間は45分です。あなたさんは、トーストマスターズで10年以上プレゼンテーションの経験があります。発表する会場はこのようなホールです。↓

このコミュニケーションスキルだけで、あなたが素晴らしいスピーカーである事を聴衆は評価してくれるでしょうか?

答えは間違いなく「いいえ」です。それらのスキルだけでは十分ではありません。いつどんな状況でも今ある技術で十分ではありません。ですから、スキル取得後、開けた道は楽に歩めると思わないでください。

じゃあ、どうしたら良いでしょうか?

私が槍ヶ岳登山から学んだこと

毎年夏になると、私は妻や友人と一緒に山に登ります。今年の夏は、長野県の上高地に行きました。登山中は、熱中症に苦しみましたが、最終的にはなんとか槍ヶ岳の頂上に行くことが出来ました。この活動の大きなメリットは、たくさんの考える時間があることです。特に今回、目的地まで10時間以上歩かなければなりません。さらにバカな事をやってしまうと、反省する時間が十分にあります。

登山中、私はつぎの2つを学びました。

1)知識を使わない行動は役に立たない

2)頂上に行くには、経験とスキル以外も必要

知識を使わない行動は役に立たない

あなたが私のような人であれば、実際に何かをする前に、おそらくいくつかのブログや特定のHPなどを見ていたでしょう。私は槍ヶ岳に関するブログやHPを事前に何度も目を通しました。水場所がたくさんあったので、1L容量のプラティーパス水ボトルを持ってきました。問題は、水ボトルから直ぐに水が飲めなかった事でした。水を飲む時に使用する専用のチューブを正しく設置しなかったので、水を出すだけでかなり苦労しました。仕事が終わってから帰宅して、1時間以内に準備して出かけたため、準備不足でした。考えが甘かったです。知識は素晴らしいかもしれませんが、知識に基づいた行動は更に素晴らしいです。

これもプレゼンテーションに似ています。私達は、プレゼンテーションに関する多くの本を読むことができます。 (私はそうしています。)しかし、現場でその知識を使わないと、何も変わりません。使えるのは、頭に詰まった本の知識だけです。それを取り出してテストし、聴衆の反応を得る必要があります。

間違いを認識し、訂正するプロセスが必要

人間は失敗することを恐れる生き物なので、試す事を避けようとします。私達は、他人から愚かに見えることを恐れています。実際に、私たちは学校で教わることです:間違い=痛みと恥ずかしさ。

しかし、私は違う見方をしています。

上手になるには、練習する事、間違いについてフィードバックを得て、その間違いを減らす事です。平均的な登山者とエキスパートの登山者の違い、平均的なスピーカーとエキスパートのスピーカーの違いは、特定の状況で行われたミスの数がエキスパートの方がはるかに少ないことです。これは、基準(黒白をつけるため)を定める事が必要だけでなく、そのパフォーマンスを向上するためにフィードバックを素早く得る事も必要です。

登山では、怪我なく無事に帰ってくることが基準です。一方、プレゼンの場合、それよりはるかに複雑です。私は常に、プレゼンテーションで目標を設定する事を勧めています。例えば、単純に「プレゼンテーションが面白かった!」と言わせるコメントをもらうのか、未来のさらなる集客を目指し、個別相談したくなるようなプレゼンテーションにするかです。ただ、一つのプレゼンはあくまで一つの通過点にしずぎないので、最終的にどんなスピーカーになりたいのか?を具体的に決めると良いでしょう。これは目標・目的を定めるためです。これらの目標がなければ、基準がわからないし、フィードバックをどのように得たいかもわからないでしょう。もちろん、途中で変えても大丈夫です。

といえ、登山とプレゼンテーションにおける特定分野の技術スキルを向上させる手段に過ぎないです。私は冒頭で、スキルが十分ではないと言いました。何かをうまくするために、私は5つのレベル学習に気づく必要があると思います。

  1. データ
  2. 情報
  3. スキル
  4. 才能
  5. 習慣

多くの場合、2または3で止まってしまいます。

データと情報

あなたがこれまでに得た知識で、理解して使用できる方法で処理していない場合、それは情報ではなく、単にデータ、事実、数字などでしかありません。何らかの形で整理しなければ、あなたの脳を困らせるだけです。脳がその状況を嫌いなので、データ、事実、数字にときめきしなければ、さっさとそれを脳(記憶)から排除します。が記憶することに苦労しているなら、おそらく自分にとってデータの意味付けと整理が得意ではないかもしれません。

スキル

スキルは情報+身体的/精神的能力です。スキルは精神的にも身体的にも2つのグループに分かれています。たとえば、あなたの頭の中の数字を素早く乗算するスキルがあります。ただ知識だけ、つまり、数字を二乗するトリックを知っているだけでは不十分です。これはあくまで単なる情報です。75 x 75を処理する場合に、まず、その方法を思い出して、適切にその情報を使い、75 x 75 = 5625との答えを書き、もうしくは言います。やり方がわかっても、実際に使わない、適切に使わないなら、身になりません。スキルにもなりません。

身体的なスキルの良い例は、ゴルフクラブをスイングすることです。練習すると◯◯さんの体が望むように行動します。フォームを調べ、必要に応じて調整する必要があります。そうすることで、距離と精度を向上させることができます。

しかし、ほとんどの人が立ち止まってしまう事は、スキルを適正に分析、分解していないということです。プレゼンテーションスキルは1つのスキルではありません。身振り・手振り、聴衆とのつながり、パワーポイントデザインなどの複数要素から構成されます。個々はスキルと言えますが、さらに細分化することもできます。複数の要素を同時に意識しながらスピーチする事は相当に難しいです。個々の要素を全てマスターしたい!!という気持ちはよくわかりますが、個々のスキルを分解して何をいつまでに習得するか優先順位をつけて計画的に積み上げていく必要があります。スキルマップと達成したい目標を明確にすることが必要です。そうすると全体的に進みやすくなるでしょう。

才能

才能 = エネルギー + スキル + 自信

私は意図的にスキルと才能と区別しています。人によっては、スキル=才能と定義する方もいます。また、多くの人が才能を先天的なものと勘違いする傾向があります。

例えば、「彼の創造性は生まれつきである」「彼女が面白いのは生まれつきである」。どちらも生まれつきではありません。これらの能力を開発するために、見えないところで時間やエネルギーをかけただけです。あるいはその様な環境下で育っただけです。

それでは、エネルギーと自信はどこから来るのでしょうか?自信は、スキルを必要とする精神的な許可です。自信がない場合は、スキルを最大の能力として使用することはできません。ステージ恐怖症はまさによい例です。或いは、崖の上からぶら下がっているはしごをのぼらなければならない時に、登りきれるか心配になり、自信がなくなる例もありますね。

したがって、自信は、スキルを発達させ、才能を使用する事で身についていきます。良い先生はこれを知っています。安心・安全な場所で、小さな失敗を繰り返して克服してから、ステージへ送り出します。悪い先生はさっさとステージに押し出します。

エネルギーは2つのグループに分けることができます。不健康な食事で運動不足、暑い日に十分な水分を補給しない場合、スキルを使用するのに必要な身体的エネルギーが出せません。才能のある人は、栄養バランスの良い食事と適度な運動、十分な水分補給をして、物事に取り組みます。

しかし、それは単に身体の表面的しか捉えていません。例えば、集中力や感情のコントロール、良い意思決定をするのに十分な精神力が必要となります。瞑想、ヨガ、さらには夜に良い睡眠を取ることは、より精神的なエネルギーを作り出します。感情によりエネルギーを消耗させられる人々と一定の距離を置くこともプラスに作用します。

習慣

習慣は単に自動化された学習です。私はこの習慣化が学習の最終目標と考えています。つまり、学習した事をあまり意識する必要はなく、必要なときに使えます。そうすると多くのエネルギーを必要としません。判断や行動は"自然"または "直感的"ように感じます。

ただ、才能が習慣になっているので、「自然」または「直感的」と思われるものはすべてではないということではありません。心や体の習慣となった誤った情報や誤った信念などが生まれることは沢山ありますから。

さらに、才能を習慣に変えることは時間を要します。複雑なプロセスはありませんが、小さな行動を繰り返す事で習慣化されます。

エネルギー+自信+スキル = 才能あるプレゼンター

つまり、スキルを持っているだけでは十分ではありません。必要な時にあなたのスキルを最大限に活用できるように、あなたはエネルギーと自信を持っている必要があります。より熟練したスピーカーが若手に負けることは少なくありません。人はその時々の状況で、どのようなパフォーマンスを出せるか分かりません。しかし、自分のエネルギーを注意深く管理し、自信を持たせ、スキルを向上させることで、自分の才能をステージや山頂で輝かせることができます。では、次回にお会いしましょう!